野菜嫌いが…

  ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

この一か月も一足飛びに過ぎっています。

コロナの検査キットが不足しています。風邪もひく間もなく暦だけがめくられています

チョコレートの食べすぎに注意したいものです。

わがスーパーではアジフライ78円が128円に値上げにびっくり!!野菜の予防がなければ

虫の存在はあちこちで見られます。

 みこちゃんも見えないために気が付けば虫はたくさん食べてもいると思ています。

覚悟がないときれいな野菜など食べれません。

近所の息子さんも鍋の中に虫が浮いていたとそれからは鍋を食べなくなったとか…

「サラダに虫」で野菜嫌いになった少女のその後 岡本 拓

「少し前まで、レタスとかキャベツとか、葉物野菜全般が苦手だったんです。その原因

になったのは、一匹の虫でして……」

取材場所がハンバーガーショップだったからだろうか。町田結さん(仮名/31歳)は口

元に手を添えて、小さな声でそう言った。童顔かつ小柄で、フェミニンな雰囲気の女性

だが、手元にあるのは一見不釣り合いな特大サイズのバーガー。はみ出たパテから、彼

女が肉好きであることが伝わってくる。

「虫……って単語は小さな声で言いますね」

苦笑したのち、結さんは自身の生い立ちと、幼少期に経験したという、哀しき「サラダ

事件」について語り始めた。

大きなトラウマを負った「サラダ事件」

結さんが生まれ育ったのは、北関東の某県。自営業の父、専業主婦の母、2歳年上の姉と

いう家族構成で、「古風な家だったと思います」と振り返る。

「私の家は、99.9%母親が料理する家庭だったんですが、その母がわりと潔癖というか

、神経質だったんです。野菜が少しでも萎れていると切ったり捨てたり、じゃがいもの

芽を取るときにも、周囲まで含めて大きくカットする……そんな姿を見て育ちました」

99.9%と述べた結さんだが、では残りの0.1%は誰だったのか。それは父だ。

「うちの父は、典型的な『たまにしか料理しないくせに、するときは超こだわる』タイ

プの男性でした。年に数回、思い立ったように料理をすると、やたら凝ったものを作る

んです。

たとえば、ハンバーグを作るときは、黒毛和牛のお肉を買ってきて、自分でミンチする

んですよ。当然、ぐちゃぐちゃになるんですが、本人は『食感が粗めなのが美味しいん

だ』と言い張って」

世の中にはこの手の男性が一定数いるものだ。ネットを見れば「一度の食事で数千円も

使う」「普段滅多に使わない調味料を買ってくる」などの行動が被害者(=妻・子ども

)から報告されているが、ご多分に漏れず、結さんの父もそうだったようで、「いくら

母に叱られても、懲りずに凝ったものを作ってました」という。

幸いにもその超粗挽きハンバーグは美味しく、「今もハンバーガー好きなのはそのせい

です」とのことだが、結さんが小3のある日、20年以上引きずることになる、トラウマ事

件が起こる。きっかけは、「農家から直接買ってきた」と言って、父が有機野菜のサラ

ダを作ったことだった。

「そのサラダはたしかに美味しかったんです。でも、食べてるうちに、レタスの裏にそ

こそこ大きな虫がいることに気づいて……。虫に免疫がなかった私は、『もう食べたく

ない!』と言ったんですが、父は『虫がいるのは新鮮な証拠。体にもいいし、なにより

捨てるのは農家に失礼だ!』と言ってきて。

しかも、運の悪いことに、そのサラダは父が自ら作った特製ドレッシングをかけていて

、水で洗うことも許されませんでした。結果、父が虫を箸で取り除くだけで、そのまま

食べないといけなかったんです」

ちなみに、その虫はどうやら『オオタバコガの幼虫』だったようだ。どんな姿形か、気

になる人は検索してみてほしい。

そんなふうに、父に無理やりサラダを食べさせられた結さん。結果、レタスやキャベツ

などの葉物野菜がトラウマになり、母には「サラダはもう作らないで」とお願い。父に

は何も言えなかったが、幸い、その後は有機野菜サラダを作ることはなかったという。

「生産者さん、ごめん」と泣きながら廃棄

その後、時を経て、大学生になった結さんは、東京で一人暮らしをすることになった。

なにかと栄養が偏りやすい一人暮らしである。今まで母に任せきりだった料理の勉強を

しようという気持ちもあり、ある日、スーパーを訪れたのだが、野菜売り場で異変が起

きた。

「レタスに触れた瞬間、いきなり鳥肌が立ったんです。そのときまで、サラダ事件のこ

とをすっかり忘れていたんですよ。外食で、レタスチャーハンとか、ロールキャベツと

かそれまで普通に食べていたので……どうやら、土から収穫した状態に近い状態の葉物

野菜が、私のトラウマだったようでした」

結さんの言葉に、違和感を覚えた人もいるかもしれない。いや、もしかすると冒頭から

違和感があった人もいただろう。結さんが大好物としているハンバーガーにも、レタス

という葉物野菜が含まれているからだ。

しかし、結さんいわく、「調理済みは平気なんです。カットして一枚一枚分けられたら

、自然ときれいに洗われているだろうし」とのこと。聞いている側としては、それでも

若干不思議に思わなくもないが、とは言えトラウマというのはそういうものなのだろう

話を戻そう。この一件の後も、結さんは自炊に果敢に挑戦し続けた。もともとセンスが

あったのか、1年もする頃にはさまざまなものを作れるようになったが、しかし、「野菜

を洗う」という行為の際には、トラウマが爆発することも少なくなかったという。

「あるとき、ブロッコリーを茹でて食べようとして、水につけてたんです。そしたら虫

が浮いてきて、鳥肌が立っちゃって。食べなきゃ食べなきゃって自分に言い聞かせたん

ですけど、どうしてもサラダ事件の光景を思い出して、『生産者さんごめんなさい……

』って泣きながら捨てたこともありました。

理屈では、わかるんです。虫がいるのは農薬が少ない証拠で、体に優しい野菜なんだっ

て。でも、どうしても無理で……。そういうことを繰り返すうちに、『残したときの罪

悪感』も増えていって、レタス、キャベツ、ブロッコリー……と、触れない野菜が増え

ていきました」

こうなってくると、あのとき、素直に捨てていたほうが、結果的に野菜農家的にもよか

ったのでは……と思えてくる話である。

こうして、野菜嫌いならぬ「野菜洗い嫌い」になった結さんは、次第に生野菜から距離

を置いていくことになった。

トラウマ乗り越えたきっかけ

そんな彼女だったが、ひょんなきっかけから葉物野菜へのトラウマを克服することにな

る。社会人3年目にできた恋人の男性が、無類のサラダ好きだったのだ。

「彼は健康的な食事が好きな人。サラダに関しては、専門店をめぐるほどの愛好家で、

デートでカフェに行ったときなんかも、ハンバーグとかオムライスを押しのけて毎回、

サラダボウルを頼む、男子には珍しいタイプでした」

交際から半年が経過した頃、結さんは体を壊して仕事を退職、恋人の家に引っ越すこと

になった。大学時代から7年住んだ家に別れを告げ、慣れ親しんだ街から離れ、家具家電

のほとんどを処分した。文字通り、体ひとつで身を寄せた。

「『無理せず、ゆっくり休んで』と言われて、甘えてゆっくり過ごしてたんですけど、

ニートって向き不向きがあるんですよ。駅前を散歩して、カルディを偵察して……だけ

の生活は私は向いていませんでした。

そこで、『何もしないのは悪いし、暇だし……』と思って、だんだん家事を担当するよ

うになったんですよ。そうしたら、彼から『サラダが食べたい』という要望が出てきて

最初はデパ地下で買ってきていたんですけど、サラダって買うと高いんですよ。食費を

考えるとさすがに毎日買うわけにはいきませんでした。だから、覚悟を決めて、『私、

サラダ作る……!』って」

そのとき、恋人は結さんに、そんなトラウマ体験があったとは知らなかったようだ。だ

から、サラダを作り始めた当初は「年月が経ってだいぶ傷は癒えたものの、やっぱり洗

うのは苦手で。恋人に洗うところまでやってもらっていました。恋人は『べつに洗うの

はいいけど、なんで……?』って感じでした」とのことだが、意外なことから、結さん

は野菜洗い嫌いを克服することになる。

「ひとつは、4分の1カットのものを買うようになったことです。断面から中を確認でき

るので、心理的に安心できるんですよ。少し割高だけど、もしも虫が出てきたらまた捨

てちゃうと思ったので。

もうひとつは、ロメインレタスが出てきたこと。私が大学生の頃ってまだそんな見かけ

なかったと思うんですけど、だからこそ、最初見つけたときは『なにこれ!?洗いやすそ

う!』って思いました。しかも、中には水耕栽培なものもあることがわかって、『これ

なら触れる!』って。そうやって少しずつ触れるうちに、だんだん慣れていけたんです

一般の玉レタスのように結球しない、リーフレタスの一種であるロメインレタス。一般

的なレタスと異なり、半結球に留まるタイプで、北アメリカでは古くからの定番野菜だ

が、日本国内で知名度が上がってきたのはここ最近の印象だ。ビタミン類、βカロテン

葉酸など豊富な栄養素を含み、健康に良いとされているが、まさか、ビジュアルが理

由で好きになる人がいたとは。

父親には今も恨めしい気持ちが…

虫きっかけ、というか父きっかけのエピソードを話してくれた結さん。読者の中には「

飯の恨みというより、トラウマの話なのでは?」と思う人もいそうだが、結さん自身は

「実際、父に対しては、恨みに似た気持ちはあります」と語る。

「だってあのとき、そのまま捨てさせてくれていたら、こんな20年も引きずることはな

かったと思うんです。野菜が新鮮なのはわかるし、生産者さんがいるのもわかるけど、

子どもの気持ちを全然わかってなかったというか。思い出したように料理するのはいい

けど、普段全然作らない立場で、食べることを押しつけるのはおかしいとも思いますし

ね」

ここまで話すと、結さんは軽くうつむいた。なにやら考えた表情で、数秒後に口を開く

と、こぼれたのはこんな言葉だった。

「でも、昔の大人ってわりとそういうところありましたよね。たとえば、小学校の先生

とか。私、もともと食べるのが遅いほうで、昼休みにずっと給食を食べ続ける常連だっ

たんです。とくに苦手だったのは牛乳で。他の男子に譲ることが禁止された学年もあっ

たんですけど、そのときは泣きながら飲んで……」

ハンバーガーをたいらげたテーブルのうえで、ぐっと握られる両手を見るうちに、「他

の恨みも出てきそうだな……」と内心思った筆者であった。

味覚、触覚、嗅覚などを総動員するだけあって、記憶の中に深く刻まれやすい食事とい

う行為。いくら本人のためと言っても、あまり無理に食べさせることは、必ずしも良い

影響を及ぼすわけではないようだ。

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