奥歯がない人は太りやすい。

  ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

 青森においては強い地震があったようです。

被害が少ないことを 祈るばかりです。

バックには「潮風のメロディ」が流れています。

案山子のぽりーすまんもお役目ご苦労の時期となりました。

稲穂の香りいっぱいに薫田んぼは気ぜわしく刈り取られます。

奥歯がない人ほど「太りやすくなる」科学的根拠 山本 龍生

『ボケたくなければ「奥歯」は抜くな』20歳以上の日本人の平均の歯の保有本数は、20

本未満といわれています。自分の歯が20本以上ある人の割合は、70?74歳で63%、75?79

歳で56%、80?84歳で44%、85歳以上で26%と、当たり前のことですが年齢を重ねるごと

に減っていきます。そして、70歳以上の高齢者の5割は「奥歯が1本以上無い」というデ

ータがあります。

人間から奥歯を奪う「歯周病」の怖さ

奥歯を失う最大の原因は「歯周病」です。歯周病は、歯の周囲にある歯ぐきが腫れる、

比較的軽度な炎症である「歯肉炎」から始まります。

歯肉炎が悪化すると、歯ぐきから膿が出て、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け出して、しま

いには歯がグラついて抜けてしまいます。これが、「歯周炎」です。

歯周病の直接の原因は、歯垢(プラーク)です。歯垢とは、歯の表面に付着している細菌

のかたまりのことです。口の中にいるむし歯菌などの細菌は、砂糖などの糖分を栄養に

して増殖する際に、ネバネバした多糖体を放出します。それによってしっかり歯に貼り

付いているため、うがいをしたくらいでは除去できません。

その歯垢の内部でむし歯菌が酸を作り出すことで、歯のエナメル質を溶かしてむし歯を

作ります。歯垢にはまた、歯周病を引き起こす歯周病菌も棲みつきます。歯周病菌はむ

し歯菌と違って空気を嫌う性質があるので(これを嫌気性といいます)、歯と歯ぐきのす

き間(歯肉溝)や歯と歯の間(歯間)など、空気が入りにくい場所に歯垢ができることで増

えます。

歯周病菌が増えると、死んでいく菌も増えて、壊れた菌の一部(毒素)が歯ぐきに炎症を

もたらし、歯を支えている歯槽骨を溶かします。歯を支えている歯槽骨は、破骨細胞

骨芽細胞によって破壊と再生が繰り返されています(これを骨リモデリングといいます)

歯周病菌が出す毒素は、そのうちの破骨細胞だけを活性化させてしまうために、再生

が追いつかなくなり、骨が溶け出してしまうのです。

通常は、体内に入った毒素は白血球が退治(処理)してくれますが、歯周病菌が増えて処

理できないほど多くの毒素が入ってくると、それが追いつかなくなるのです。

ただし、歯肉炎の段階では、きちんとしたブラッシングを行えば、元の健康な歯ぐきに

戻れます。しかし、歯を支える骨が溶け始めてしまうと、ブラッシングをしても元の健

康な状態にまで戻すのは困難になります。これが、奥歯を失わせる歯周病菌の怖さです

歯周病の直接の原因は歯垢(プラーク)ですが、間接的にはさまざまな要因があります。

たとえば喫煙者は、非喫煙者の2?8倍も歯周病になりやすい、というデータがあります。

たばこの煙には3000種類もの化学物質が含まれ、有害物質は200?300種類にのぼります。

これらの物質が歯ぐきの血流を妨げ、防御機能を弱め、細菌の増殖をうながします。

また、精神的なストレスなどが要因で起こる歯ぎしりや、歯並びの乱れ、噛み合わせの

不良も、歯周病のリスクを高め、進行を加速させます。

私たちの口の中には、ふだんから無数の細菌が常在しています。腸の中に善玉菌や悪玉

菌、そして、通常の状態では良いことも悪いこともしない日和見菌がバランスをとって

いて、それらは腸内フローラ(フローラとは“お花畑”の意味)と呼ばれています。

口の中にも同じように、むし歯や歯周病をもたらす悪玉菌と日和見菌がいて、口内の健

康が保たれていれば、バランスがとれている状態です。ところが、食生活の乱れや歯の

ケアをおこたったり、ストレスなどで口の中の細菌バランスが崩れたりすると、悪玉菌

が多く繁殖することになります。

そんなときに、歯周病になって歯ぐきから出血したりしていると、歯ぐきの血管から細

菌や毒素が血液の中に入り全身に回ります。これが「菌血症」といわれる、血流に細菌

が存在する状態です。健康な人であれば、血液中の白血球が細菌や毒素を処理し、一過

性の菌血症で終わり、大きな問題にはなりません。

「たかが歯の病気」とあなどるなかれ

歯周病が悪化して細菌や毒素が多く体内に回っているにもかかわらず、体の抵抗力が低

くなっていると、全身のさまざまな臓器に悪影響を及ぼすのです。

このように、歯周病はたかが歯の病気とあなどれない怖さを秘めています。繰り返しま

すが、歯の健康は健康寿命と密接に関係しています。そして、その大きなカギを握るの

歯周病予防なのです。歯周病は、口の健康だけでなく、血液を介して全身に悪影響を

広げるやっかいな病気なのです。

誰もが気になる肥満ですが、これも歯の健康状態と密接な関係があります。肥満とは、

体脂肪が過剰に蓄積した状態をいい、体内に取り入れられた脂肪分が、筋肉のすき間な

ど全身のさまざまな部位に入り込み、付着する状態をいいます。

肥満には、内臓のまわりに脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満と、下腹部や腰まわり、お尻

などの皮下に脂肪が蓄積する皮下脂肪型肥満があります。

とくに注意が必要なのは内臓脂肪型肥満、いわゆるメタボ(メタボリック・シンドローム

)です。メタボは、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病をはじ

めとする、さまざまな疾患の原因となることがわかっています。

そして、メタボの人は歯周病になっていることが多く、また、歯周病の人はメタボにな

りやすいことも明らかになっています。メタボと歯周病の関係は、1998年に日本で初め

て発表されました。

メタボになると、なぜ歯周病になりやすいのでしょうか? メタボの原因となる肥満は、

それ自体が慢性的な炎症です。内臓脂肪の細胞から炎症(腫れ)を起こしたときと同じ物

質(炎症性サイトカイン)や活性酸素が出され、血液の中に入っていきます。それらが歯

ぐきの組織に巡ってくると、歯ぐきの炎症を誘発し、歯周病を引き起こします。

歯周病になって奥歯がグラついたり、奥歯を失ったりすると、堅いものが噛みづらくな

り、ご飯などの炭水化物や脂質の多い食事を多く摂るようになります。加えて、噛み合

わせが悪いために、あまりよく噛まずに飲み込む。そのために早食いになり、その結果

、肥満になったり、肥満が進んだりするのです。

そんなメタボと歯周病の悪循環に陥らないためにも、肥満には十分に気をつけなくては

なりません。肥満度の目安には、国際的な指標BMIが用いられます。体重(kg)を身長(m)

の2乗で割った数値です。

たとえば、身長が160cm、体重が60kgの人ならば、

で、BMIは約23になります。日本肥満学会ではBMIが25以上を肥満としています。30以上

の人は、歯周病になるリスクが8.6倍も高まることがわかっています。

歯磨きで「出血が止まらない人」ほど要注意

いまでも私がよく覚えている患者さんがいます。あるとき、私の診療室に、「歯磨きを

すると歯ぐきから出血しはじめ、血が止まらなくなる」という患者さんが来られました

診察すると、歯と歯ぐきの境目から出血があり、明らかに歯周病でした。

「歯ぐきが弱って歯周病になっていますね。それで出血しやすくなっているんです」

私はその場で歯ブラシで、患者さんの歯と歯ぐきをブラッシングしました。しばらくブ

ラッシングを続けていると、出血は止まりました。そして、こうアドバイスをしました

「糖尿病とか、ほかのご病気がある可能性があります。一度内科を受診することをおす

すめします」

すると、次の診察時に、その患者さんに丁重にお礼をいわれました。

「先生のいわれたとおりに内科で診てもらったら、糖尿病でした。重症で、このまま何

もしないでほうっておくと、足を切断したり、透析したり、大変な事態になると脅され

ましたよ……」

糖尿病は、すい臓で作られるインスリンという糖を代謝するホルモンが十分に働かない

ために、血液中を流れる糖(血糖)の値が高いままになってしまう病気です。血糖値が高

い状態のままでいると血管がもろくなるため、放置すると心臓病や失明、腎不全、足の

切断といった、重い病気(合併症)につながる恐ろしい病気です。さらにやっかいなこと

に、歯周病も糖尿病の合併症の一つで、歯ぐきにある血管が傷つき、歯周病菌による感

染が起こりやすくなることで発症します。そのため、すでに糖尿病の持病を抱えている

方、血糖値の高い方は、歯周病への注意も必要です。歯周病は「糖尿病の悪化」につな

がる歯周病は糖尿病を悪化させます。歯周病を起こした歯ぐきで作られた炎症性サイト

カインという物質が、血液中に入り込みます。そして、その物質は、血糖を分解するイ

ンスリンの効きを悪くするため、糖尿病を悪化させてしまうのです。歯周病を治療する

と糖尿病が改善することがあるのはそのためです。ちなみに、アルツハイマー認知症

は「脳の糖尿病」とも呼ばれ、糖尿病になるとかかるリスクが高まる病気です。つまり

歯周病・糖尿病・認知症はとても関連が深い病気なのです。ただし、糖尿病も歯周病

も、どちらも最初はほとんど症状がないため、それらの病気に罹患しても初期には気づ

かないケースが多々あります。そのため、高血糖・糖尿病が歯周病を招き、歯周病が糖

尿病を悪化させるという、両者が相互に影響して負のスパイラルに陥ることがよくあり

ます。注意したいところです。山本 龍生さんの最新公開記事をメールで受け取る(著者

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