母に似た咳払い。

  ご機嫌以下でしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

 日々、小さな秋は虫

日差しの差し込みはそれだけで、厳しい一日が予測されます。の音はもとより、咲き乱れる花までも、教えてくれています。

ブーンブーンとにぎわかす蚊の群衆はまだ頑張っています。

 コロナの生でお母さんにも会えなくなった運命のいたずらは

いつまで我慢が望まれるのか…

暮らしも何もかも思いありあればこそです。

【朝晴れエッセー】咳(せき)払い・10月1日

母が進行性の難病と分かってから約3年。初めて聞く病名だった。

私の願いとは裏腹に進行は早く、発症から2年たった頃には体が思うように動かなくな

りベッドで過ごす時間が増えた。

病気が進行していることをしっかりと理解している母。その胸中を思い、何度涙したこ

とか。

そんなときに突如現れたコロナウイルス。実家がある埼玉でコロナが猛威を振るい始め

たため在宅介護が難しくなり、母は病院にお世話になることとなった。

あれから約1年。手帳にはボールペンの二重線で消された幾つもの帰省の文字。その間

にも病気は進行し、母との会話もかなわなくなってしまった。

「1カ月に一度、帰ったらいいよ」と言ってくれた主人の言葉がむなしくよみがえって

くる。ただでさえ遠い滋賀と埼玉。コロナに母と私がどんどん引き離されていく感覚。

母には時間がない。人生に試されている気がした。

今すぐにでも会いたいのに会えない。これが、コロナが災害レベルの状況にあるといわ

れることなのか、とため息が出た。

母に会いたくなったら私は誰もいない場所で咳払いをする。母にそっくりな咳払い。私

は、咳払いをして母に会いに行く。母を感じられる瞬間。その短い時間が私を支えてく

れている。

こんな魔法があったなんて。

寂しがりやの私に母がくれた最高の贈り物。