山々に抱かれて…

  ご機嫌いかがでしょうか。 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

スリムになった鎮守の森も思い返せば

暴風むまでも全力で守ってくれてもいます。

このようなやまやまにさいけいえれいしながら一日一日が健康に過ごせることはありが

たいことでもあります。

欲張らなくてもトド小売りなく過ごせることが何よりと感謝しながらmysunday

アリ型武士出遅れたならと思っています。

働いていたころ あんなにお休みが待たれたのに…

【家族がいてもいなくても】(716)ただ山々に抱かれて (2021年12月24日)

天気予報が寒波到来と猛吹雪を告げていた朝のこと。

目覚めて、大荒れの天気のその後はどうなったか、と寝室のカーテンの隙間から外をの

ぞいた。

あたりは、朝の静かな光に満ちていた。

急ぎコートを羽織って庭に出て、那須の山々を仰いだ。

茶臼岳が前夜の雪にすっぽりと厚く覆われていた。

あの山々が、日本海を襲ったという前夜の寒波の防波堤になってくれたようだ。

この雪の山々に私は守られ、支えられて暮らしているのね、と思わず頭の垂れる思いが

した。

威風堂々とした頼もしいその山々を眺めていると、ちっぽけな自分が、いっそう心もと

なく思えるばかりだ。

この2年、多くの人がそうだったように、私もコロナ禍をなんとかくぐり抜けて生き延

びはした。

でも、来年はどうなるのか、と考えても、見当がつきかねる。

先日は無茶(むちゃ)をして腰を痛めたけれど、1週間で立ち直り、さすが! と周り

からは言われた。

でも、もう頑張るとか、一生懸命なにかを主張するとかできそうにもない心境だ。

よくよく考えれば、希望に満ちて、なにかを目指そうとか、なにかを達成しようとか、

もう思えるような気がしない。

そこそこにつつがなく、晩年に出会(であ)った那須の山々に支えられ、癒やされ、淡

々と暮らしていければいいなあ、と思うばかり。

そんなことをあれこれ思っているのは、「今年の抱負」というアンケートを頼まれたせ

い。

ところが、なんの「抱負」も頭の中に湧いてこない。それで、思案の末にやっと思い浮

かんだ言葉がこれだった。

「成り行きにまかせて生きよう」

それが今の自分の心持ちにぴったりだ、と気が付いてしまったのだ。

思えば、頑固だった父が、ある時から、人生を投げ出しちゃったように、なにを言って

も、「それで、よろしい」とだけ言うようになった。

「そんなことでどうするの?」と詰め寄ったら、「もう考えるのがめんどうになった」

と言った。

結局、先行きが見えなくなったら、しばし成り行きに任せる、ジタバタしないのがいい

のかも。

それが、かねてより私の理想とする「朝、目ざめたら、お天気がいい、それだけでシア

ワセになれるシンプルな心境」を目指す一番の近道なのかもしれない。(ノンフィクシ

ョン作家 久田恵)