年金の繰り下げ支給は…?

   ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

政府は義務教育の3月よりの休日を決めた。

北海道対策としての流通の切断はいるのではと申したいもの

 政府は100歳に当たり「ひゃくさいげんきじだい」と称し

シニアのロングワークを推奨し、年金の受け取りの先送りを推奨してもいます。

 わが母は卒業後、間もなくから社会保険をかけ

年金の受け取りはなく僅か1000円の受け取りで

あんなに楽しみにしていた年金は受け取ることもなく旅立ってしまった。

高齢者がガードマンとして過酷な労働の末69才で亡くなられたケースが

新聞記事に乗っていて、これはブラックなのか、はたまた労働条件無視の

つかいすてであったのかと呆然失望?

 年金繰り下げのメリットとして

82才を超えて生きるとしたならばそれ以降はお得なのかもしれない

なんせ公的年金に税金はあまりかけられないのだから…

 わが友は旦那様に先立たれ、70歳の年金にシフトし、今なお働いている。

同級生ながらわが友はとってもヤングメン

自分が申請することで、受け取りの開始を「60歳」から「70歳」の範囲で、指定するこ

とができます。

そして、65歳より前に受け取る「繰り上げ」をすると年金が減らされ、65歳より後に「

繰り下げ」をすると年金が増えます。

出典:厚労省

注目したいのは、「繰り下げをして70歳から受け取ると、年金の金額が42%も増える」

という点です。

「老後のお金」をテーマにした記事では、これを利用して「繰り下げをすることで、受

け取る年金を増やそう」という趣旨のものを、よく見かけます。

その一方で、「繰り下げをすると、不利になる場合があるから慎重に」という趣旨の記

事もあります。

はたして、どっちが本当なのでしょう。

実は、厚労省の「社会保障審議会年金部会」という会議で「年金の繰り下げ」について

、よく整理された資料が提出されています。

今回は、この資料をもとにして、年金の繰り下げのメリットとデメリットを検証してみ

ましょう。

最大のメリットは「年金が増える」

「繰り下げ」の最大のメリットは、受け取る年金の金額が増えることです。

1年待つと「8.4%」、5年待てば「42%」も増えます。

普通預金はもとより、リスクのある投資信託と比べても、ずっと大きな利率です。

年金支給額が20万円だとすれば、5年繰り下げをすると「28万4千円」になるのです。

出典:厚労省

これだけ増えるのですから、受け取りの開始が遅くても、どこかで普通に「65歳」から

受け取った場合よりも金額が大きくなります。

具体的には、「11.9年」年金を受け取ると、65歳から受け取ったときよりも、受け取っ

た年金が多くなります。

「70歳」まで繰り下げたときには、「82歳」まで生きれば、トクをする計算になります

平均寿命が、まだ伸びていることを考えれば、十分に検討に値するでしょう。

「繰り下げ」のデメリット

一方、「繰り下げ」のデメリットとして挙げられるのは、つぎの3点です。

加給年金や振替加算が支給されない

「特別支給の老齢年金」が繰り下げできない

「在職老齢年金」で減らされた分は、繰り下げても戻らない

ゆっくり、1つずつ説明しましょう。

加給年金や振替加算が支給されない

これは、会社員が加入している「厚生年金保険」が対象になります。

「加給年金」と「振替加算」は、年金を受け取る人に配偶者や子供がいると、支給され

る年金額が増える仕組みです。

まず、「加給年金」を見てみましょう。

対象となるのは、「65歳未満の配偶者」と「18歳未満の子供」です。

65歳の時点で、18歳未満の子供がいる人は少ないと思うので、ここでは配偶者について

だけ紹介しましょう。

65歳で年金を受け取り始めるときに、「生計を維持している65歳未満の配偶者」がいる

と、年に「224,300円」の加給年金が加わります。

さらに、特別加算として、これから年金を受け取る年代であれば「165,500円」が加算さ

れますから、加給年金の金額は「389,800円」になります。

つまり、年金を受取るときに、65歳未満の配偶者がいると、年にも40万円も年金が増え

るのです。

夫婦の年齢差が5歳で、「加給年金」を5年間受け取れたとすれば、ほぼ200万円貰えるわ

けです。

しかし、年金の繰り下げをして、70歳から受け取るとすれば、よほど配偶者との年齢差

が大きくなければ、加給年金は受け取れないでしょう。

出典:日本年金機構

次に「振替加算」を見てみましょう。

年金を受け取っている人の配偶者が65歳になると、配偶者の年金に「振替加算」という

支給が付きます。

これから年金を受け取る世代について言えば、支給される金額は加給年金ほど大きくは

ありませんが、年に数万円はあります。

西暦は配偶者の生年月日、金額は年額です。

1958年4月2日~1959年4月1日 32,972円

1959年4月2日~1960年4月1日 26,916円

1960年4月2日~1961年4月1日 20,860円

1961年4月2日~1966年4月1日 15,028円

1966年4月2日以後 0円

年に数万円とはいえ、繰り下げをしている期間中は受け取れないのですから、もったい

ないと感じる人もいるでしょう。

「特別支給の老齢年金」が繰り下げできない

「特別支給の老齢年金」も、「厚生年金保険」の人が対象になります。

年金が受け取れる「支給開始年齢」は、以前は60歳でした。

それが、現在の65歳になるにあたって、移行のショックをやわらげるための制度が作ら

れました。

それが「特別支給の老齢年金」です。

下の図で、赤く塗った部分がそれで、65歳より前に、老齢厚生年金の一部が受け取れま

す。

出典:厚労省

金額は、現役時代の報酬に比例するので、個人ごとに異なります。だいたい、数十万円

~百数十万円と思えば良いでしょう。

正確な金額は、「ねんきん定期便」で確認できます。

困ったことに、この「特別支給の老齢年金」は、繰り上げや繰り下げができません。

例えば、1958年(昭和33年)生まれの男性についてみると、63歳から「特別支給の老齢年

金」が受け取れます。

そして、63歳と64歳の2年間は「特別支給の老齢年金」を受け取り、65歳からは基礎年金

部分も出るようになって、受け取れる年金の金額が増えるというストーリーになってい

るわけです。

しかし、例えば70歳まで「繰り下げ」をすると、2年間年金を受け取って、その生活に慣

れたころに、5年間も年金がゼロになります。

いったん、年金をもらい始めて、その生活に慣れたころに、年金の無い生活に戻るのは

、かなり難しいことです。

「それぐらいなら、多少金額が少なくても、このまま年金をもらい続けた方が良いので

はないか」と、考える人も多いでしょう。

「在職老齢年金」で減らされた分は、繰り下げても戻らない

「在職老齢年金」も、「厚生年金保険」の人が対象になります。

余談になりますが、「在職老齢年金」というのは罪作りな制度です。

「年金」と名がついているので、お金をくれるのかと思えば、「あなたは働いていて給

与があるのだから、年金を減らしますね」という制度なのです。

「在職老齢年金」の内容を紹介しましょう。

対象者が「60歳~64歳」の場合は、賃金と年金の合計が「28万円」を超えると、年金が

減らされます。

対象者が、「65歳以上」の場合は、賃金と年金の合計が「46万円」を超えると、年金が

減らされます。

ここに至るには、紆余曲折があったのですが、今は、そういう制度だということだけ覚

えてください。

問題なのは、在職老齢年金に関係がある程度に働いていて、年金の繰り下げを考えると

きに、次のように考えてしまう人が多いのです。

70歳までフルタイムで働いて、生活を支え続けよう

年金の受け取りは70歳からにしよう

賃金を受け取る時期と、年金を受け取る時期は重ならないから、「在職老齢年金」は関

係なく、年金は満額貰える

しかし、残念ながら、そうは問屋が卸しません。

70歳以降に受け取る年金の金額は、在職老齢年金で減額された金額になるのです。

出典:厚労省

いったん、支給停止された減額部分は、繰り下げても返ってこないのです。

「だったら、65歳以降は無理をしてフルタイムで働かなくても、年金との合計が46万円

以下になるようにパートタイムの非常勤で働いたのに」と思う人も多いでしょう。

年の差婚の人は検討の余地あり

ここまで、年金を繰り下げした場合のメリットとデメリットを見てきました。

では、繰り下げをしても良い人とは、どんな人でしょう。

厚生年金の対象ではない

デメリットの多くは厚生年金の制度なので、国民年金だけならば関係がない

「加給年金」が多くない

例えば、「配偶者がいない」「年の差がない」「配偶者自身が厚生年金の対象」など

「特別支給の老齢年金」を貰っても生活が変わらない

例えば、「もらわなかったことにして貯金してしまい、そのまま忘れられる」など

「在職老齢年金」が関係ない

例えば、「年金と賃金の合計額が46万円以下で、減額されない」など

逆に、つぎのような条件の人は、繰り下げをするかどうか、よく考えるべきです。

配偶者との年齢差があって、「加給年金」がたくさん貰える

繰り下げをしないで、65歳から年金をもらった方がトクな可能性があります。

「特別支給の老齢年金」が生活の支えになる程度に家計が苦しい

将来の増額よりも、現在の現金を選んだ方が生活が充実します。

会社の役員などで、在職老齢年金で、かなり持っていかれる

せっかく繰り下げをしても、思っていたよりも増えない可能性があります。

例えば、配偶者の家計を自分が支えており、自分との年齢差が何歳もある場合は、65歳

の時点で年金事務所に行って、普通にもらう場合と、繰り下げをした場合の両方につい

て試算をしてもらいましょう。

それぐらいの手間をかける価値はあると思います。