北の脅威、海洋ニモ。
ご機嫌いかがでしょうか。
視界ゼロのミコばあちゃんです。
北朝鮮の船舶の脅威はいろいろな波乱要因があるので政府対策も
見逃せないところです。
漂流戦の処理などにかかわる費用は国税で賄われなければなりません。
地方には継続的な体制も必要なので自衛隊の出動も必要ではないのか。
地方が引き受けるにはあまりにも大きなお金と人件費もかかり国レベルの行動は不可欠であろう。
海洋警備に当たり、議論が尽くされなければならない。
昨年よりイカの高値も続き、日本領域の量さえ困難を極めている。
これからは日本から魚は輸入品でなければ口にすることのできない時代も
そう遠くないのであろう。
産経より。
【正論】海から来る北の脅威に対処急げ 東海大学教授・山田吉彦
11月以降、連日のように漂着する北朝鮮漁船は、わが国の沿岸警備の難しさを浮き彫りにした。
日本の管轄海域である領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積は447万平方キロメー
トル。その中に、周囲が100メートル以上の無人島が6415も存在している。さらに、領
土を囲む海岸線の総延長は、およそ3万5000キロメートルにもおよぶ。
この広大な海と長い海岸線は、わが国を守る堀や石垣となり、侵略などの脅威から国土を守って
きた側面もある。しかし近年、領海侵犯や密輸、密漁など国民生活を脅かすような危機が、海
を越えて押し寄せている。これに対する日本の海洋安全保障能力は、十分であるとはいえない。
≪漂着するのは漁船だけではない≫
海洋警備の第一歩は隣国の軍事力、海上警備力、海運、漁業などの実態を分析することにある。
その上で、わが国に及ぶ影響を考慮し、対策を講じる必要がある。
北朝鮮は食糧難を打開するために「冬季漁獲戦闘」と銘打ち、荒天下の海への出漁を命じている
。日本海の好漁場である大和堆は日本のEEZ内にあり、北朝鮮船の漁は禁止されている。し
かし、2014年頃から急速にその数を増し、今では漁場を占領して日本漁船の入る隙間もな
いほどだ。
日本政府は、中国を経由し北朝鮮に対応を求めているが、当然のごとく返答はない。水産庁は大
和堆に漁業取締船を派遣し、6月に延べ約900隻、7月に同約600隻の漁船に警告を発し
、EEZから排除した。
しかし、実力行使を伴わない水産庁の警告になれた北朝鮮漁船は、取締船が近づいても居座り続
けるようになった。さらに取締船に対して、船上から銃口を向ける事件も起きている。
そこで、海上保安庁が出動することになり、7〜8月に放水銃も使って延べ820隻ほどの漁船
を排除した。しかし、この排除作戦にも限界があり、10月初旬には再び100隻を超える北
朝鮮漁船が出現。11月に入ると北西風が吹いて海が荒れ、数十隻が日本沿岸に漂流するよう
になった。その数はおよそ80隻に上るが、中には単なる漁船とは思われない船も交じってい
る。
11月に青森県佐井村に漂着した北朝鮮の船内からは普段は漁民が使わないような底がつるつる
した革靴と英語が書かれたジャケットが見つかった。工作員が変装し、上陸するための道具だ
とみられている。
また昨年は漂着した漁船に生存者はいなかったが、今年は40人以上の生存者がいる。破損が少
ない船もあるため、工作活動や覚醒剤の密輸など、特定の意図を持っている可能性も否定でき
ない。
北海道松前小島に漂着した船員は、上陸して漁師の避難小屋から家電製品や発電機を根こそぎ盗
んだうえに逃亡を企て、北海道警に逮捕された。
この船には朝鮮人民軍のプレートがあり、軍籍を示す船員手帳を所持していた者もいた。船の行
動も不可解とはいえ、そもそも不審者に上陸されたこと自体、問題があるといえる。無人島の
管理体制の脆弱(ぜいじゃく)性を露呈してしまったからだ。沿岸警備の見直しを急ぐ必要が
ある。
北朝鮮漁船への対応としてはまず、日本海中央部におけるEEZ内での密漁を徹底的に阻止しな
ければならない。放水銃を用いて管轄海域から排除するだけではなく、集魚灯を用いるなど計
画的で悪質と思われる船はただちに拿捕(だほ)すべきだ。
≪海洋安保意識の喚起が必要だ≫
これまでに北朝鮮が起こした拉致事件や工作船事案を考えると、漂流してきた船は武器や薬物の
所持のほか、不法入国をもくろんでいる可能性がある。また船員が病原菌を保有しているなど
の恐れもある。早期発見に注力し、上陸前に身柄を確保することが重要だ。
01年12月に発生した九州南西海域での北朝鮮工作船侵入事案では、海上保安庁が威嚇射撃を
行うなどの厳正な対処が功を奏した。工作船は自沈したものの、船内から回収した武器や携帯
電話などの物証から、北朝鮮による工作活動や覚醒剤取引の実態が判明した。
半面、10年9月、尖閣諸島周辺海域で海上保安庁巡視船に体当たりした中国船長を逮捕しなが
ら処分保留で送還したことは、中国につけ入る隙を与えてしまった。当時の民主党政権は、外
交的解決を過剰に意識し、国家主権をないがしろにしたため、中国の尖閣諸島海域への侵出が
加速し、恒常的に領土・領海が脅かされることとなった。
危機来訪の早期発見や対応には漁業者や海運事業者、沿岸住民など民間の協力が不可欠である。
安全保障の任務に就く海保、警察、自衛隊は、国民の信頼があってこそ機能を発揮する。
そのためには、法に基づく厳格な対応と国民の海洋安保に対する意識を喚起しなければならない
。政府は日本の海洋の現状を的確に国民に伝える義務がある。(東海大学教授・山田吉彦 や
まだ よしひこ)
海洋事情がもっともっと報道されたいものです。