北米会談を前に・・・!

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

 北米会談はまるでセットされたかのような政治ショーそのものです。

アメリカファーストの色彩をにじますトランプ大統領

平和交渉による経済援助をを望む金氏との開幕は

それぞれの思惑通りにすとーりーがてんかいされますでしょうか?

 北朝鮮が中国の飛行機を利用したことも、金流のパフォーマンスと

解釈できないこともない。

中国が大国としての独走姿勢を一段と鮮明にする足がかりになるのかもしれない。

 阿部総理の乗り遅れたかのような勇み足外交は

メリットの少ない交渉に陥りやすい。

     東洋経済より。

会談直前!池上彰氏が北朝鮮の腹の内を解説 金正恩が「独特なヘアスタイル」を貫くワケ

池上彰の世界の見方?朝鮮半島』2011年12月19日、朝鮮中央テレビが、17日に金正日

書記が急性心筋梗塞で亡くなったことを伝えます。後継者に指名されたのは、弱冠27歳

の三男・金正恩です。

金日成主席が死亡した時には、息子の金正日が後継者としての地位を確立していました

。ところが、金正日は急逝したため、金正恩への権力継承の準備はできていませんでし

た。

金正恩とは、どんな人物なのか。金正恩は、金正日の三男です。朝鮮半島は伝統的に儒

教社会です。家督は長男が継ぎます。金正恩には、ふたりの兄がいました。長男は異母

兄の金正男(キムジョンナム)、次男は金正恩と同じ母親から生まれた金正哲(キムジ

ョンチョル)です。

なぜ長男の金正男ではなかったのか。金正男は、偽造パスポートで日本に入国しようと

して拘束され、国外退去処分になった経歴があります。「東京ディズニーランドに行き

たかった」。取り調べに対しそう答え、日本のメディアにその姿を撮影されてしまいま

す。

父の金正日は、この愚かな行動に対し激怒。金正男の後継の目はなくなったといわれて

います。さらに次男の金正哲は、病弱で政治に興味がなかったといわれています。対し

金正恩は気の荒い性質などが父親似で、金正日が後継者として気に入っていたとも伝

わっています。

かくして、謎のベールに包まれた27歳の独裁者が誕生します。金正恩は2012年4月11日に

開かれた朝鮮労働党の党代表大会で総書記のポストを永久欠番にします。金正日を「永

遠の総書記」として祭り上げたのです。

そして、自らの肩書のために「第一書記」を新設し、就任します。続いて朝鮮人民軍

最高司令官、さらに国家の最高機関である国防委員会の委員長ポストを永久欠番にし、

国防委員会(2016年、国務委員会に改変)第一委員長を新設し就任します。

偉大な父や祖父が就いていた最高権力者のポストを永久欠番にすることで、先人に敬意

を払う若い国のリーダーというイメージをつくり、党幹部たちや国民の支持を取り付け

ようと考えたのでしょう。

金日成は「偉大なる首領」、金正日は「偉大なる将軍」そして金正恩は「敬愛する元帥

」と呼ばれるようになります。

さらに金正恩はあることをして、国民からの尊敬を得ようとします。何をしたと思いま

すか??髪形を金日成に似せたのです。

金正恩には経験が何もありません。伝説の将軍であり、北朝鮮の建国者であり、偉大な

る首領である祖父をまねることで、「偉大なる首領」金日成の血を引いていることをア

ピールします。

世襲はどう決まったのか

北朝鮮は、ソ連によってつくられた社会主義国家です。ソ連も、中国も、トップの座に

いるときは独裁に近いかたちになることがありますが、世襲制ではありません。権力の

座が世襲されるのは、王国くらいのものです。

なぜ北朝鮮だけ、こういう異形の国になったのでしょうか。建国時の指導者だった金日

成の晩年の心配は、後継者のことでした。

ソ連の独裁者だったスターリンは、死後、厳しい批判にさらされます。中国では、毛沢

東に一度は後継者指名された林彪(リンピョウ)が、クーデターを企てたとして追われ

、逃走中に飛行機が墜落して死んでしまいます。

金日成は、死後に自分の名誉が失われたり、批判を浴びたりすることを恐れたはずです

。自らがさまざまな人を陥れて地位を築き上げただけに、他人を信用できません。結局

は自分の子どもしか信用できなかったのでしょう。

父親から息子へ権力を継承するきっかけは、1974年2月に開かれた朝鮮労働党中央委員会

総会にありました。この総会で、金正日の処遇が話題になった時、金日成が、「息子は

まだ若いから政治局員に選出するのはやめたい」と言ったところ、金一(キムイル)政

務院総理(金日成とは無関係)がこう言ったといいます。

金正日同志を党中央委政治局員に迎えることは、革命の要請であり全人民の熱望です

。若すぎるとおっしゃるが、主席も金正日同志と同じ年頃に朝鮮革命を勝利の道に導い

たではありませんか。革命の運命にかかわる問題であるので、主席の考えを改めていた

だきたい」(重村智計『最新・北朝鮮データブック』)

この発言は、主席の意向に反対するように見せながら、実のところ、息子を後継者にし

たい金日成の気持ちをくすぐる高度なゴマすりです。

一方、金正日もひたすら父親を大切にする姿勢を見せました。平壌市内に、金日成を讃

える凱旋門主体思想塔など、巨大なだけの、無駄な建物を国費で建設し、父親にゴマ

をすったのです。

金日成は「青年たちは革命を引き継ぎ、代を継いで推進しなければならない」と言い出

します。「代を継ぐ」とは、金正日への権力の継承を意味していました。また、金日成

に対してしか使われなかった「指導者」という言葉が、金正日に対しても使われるよう

になりました。1994年7月、金日成が亡くなると、金正日北朝鮮という「王朝」を父親

から譲り受けたのです。そして、「2代目」の金正日が死去すると、「王朝」は「3代目

」の金正恩に引き継がれ、急ピッチで権力を握ります。

権力の座に就いた金正恩は、金正日時代の幹部たちを次々と粛清していきます。

2011年12月28日に行われた金正日国葬では、金正恩と7人の幹部が霊柩車を囲んで行進

しました。その7人の幹部のうち、なんと5人が2年後には粛清もしくは更迭されてしまい

ました。驚くべき速さです。とりわけ衝撃的だったのは、金正恩の後見人と見られてい

張成沢(チャンソンテク)の処刑でした。張成沢金正日の妹と結婚していて、金正

恩は甥(おい)です。金正恩体制の実質的なナンバー2と見られていました。

このニュースを聞いた時、私は独裁国家のナンバー2の立場がいかに危ういものか、思い

知らされました。かつて張成沢は、金日成が死去し金正日体制に替わった際、秘密警察

組織を指揮し、1万人を処刑し、強制収容所や教化所(日本の刑務所にあたる)に2万500

0人を送ったといわれています。

独裁者の命令で他人を粛清したものは、やがて自分も粛清される。上司の命令で部下を

リストラした中間管理職は、やがて自分もリストラされる。そんな企業社会を思わせる

ような出来事でした。

韓国のシンクタンクによれば、金正恩がトップの座に就いてから5年間で、粛清された人

数は340人に及ぶそうです。自分の周りをイエスマンで固める。独裁者の常道です。

2017年2月13日、またもや衝撃的な映像が世界を駆けめぐります。マレーシアのクアラル

ンプール国際空港で金正恩の兄、金正男ふたりの女性によって殺害されたのです。そ

の瞬間を空港の監視カメラがとらえていました。

この時に使用されたのが、猛毒の「VXガス」です。皮膚に付着しただけでも死んでしま

う恐ろしい殺人兵器です。北朝鮮の関与が濃厚ですが、北朝鮮は否定しています。マレ

ーシアは、北朝鮮と仲のいい国でした。しかしこの事件をきっかけに平壌の在北朝鮮

使館を閉鎖。急激に関係が悪化しています。

人工衛星と偽りミサイルを発射

絶対的な権力を手にした金正恩は、国際社会に対し挑発行動を開始します。2012年4月と

12月に、人工衛星打ち上げと偽ってミサイルを発射。2013年2月には、地下核実験を強行

します。

さらに朝鮮戦争の「休戦協定」を白紙に戻すことを通告します。白紙に戻しただけで、

破棄したわけではありません。いつでも協定を復活できる余地を残した発言でした。し

かし北朝鮮との交渉に不慣れだったアメリカのオバマ政権は、深刻な事態だと受け止め

ます。B52戦略爆撃機を米韓合同軍事演習に参加させると発表。北朝鮮を脅しにかかりま

す。

この頃から北朝鮮アメリカに対する挑発行為が行われるようになります。

政治や国際関係には、必ず表と裏があります。金正恩のこの行為は、自国では軍部を掌

握するためにアメリカとの緊張状態をつくり出す。アメリカに対しては「北朝鮮と直接

交渉して平和協定を結んだほうがいい」と思わせるためのアピールだったと考えられま

す。

金正恩にとっても、核開発は悲願です。なんとしても核兵器を作りたい。しかしアメリ

カからの攻撃が怖くて仕方がない。

そこでアメリカのニューヨークやワシントンまで届くICBM大陸間弾道ミサイル)を完

成させれば、アメリカから攻撃されることはないだろうと考えます。しかし、ICBMが完

成するまでには、もう少し時間がかかる。だから今、北朝鮮を攻撃したら大変なことに

なるぞ、とアメリカとアメリカ軍が駐留する韓国、日本を牽制し、時間稼ぎをしてきた

のです。

とにかく核兵器をつくるという大目標があって、そのためには嘘をついてもかまわない

。守る気のない条約を結んでもかまわない。そういうことを北朝鮮は続けてきたのです

北朝鮮が核保有に執着する理由

ではなぜ、北朝鮮核兵器を持つことに執着してきたのでしょうか。

ICBMができたら、もう、アメリカから攻撃されないと考えますよね。アメリカに対して

、「北朝鮮を核保有国と認めなさい、そして平和条約を結びましょう」と言うことがで

きるわけです。現在も朝鮮戦争は休戦している状態で、終わっていません。本当にこれ

朝鮮戦争を終わりにしましょう、ということを北朝鮮は狙っているのです。

平和条約を結んでしまえば、「北朝鮮アメリカを攻撃しません。韓国を攻撃すること

もありません。だから、アメリカ軍は、もう、韓国にいる必要はないですよね。どうぞ

お引き取りください、朝鮮半島は平和になるんですから」──北朝鮮は、将来的には、

そういう理屈をつけて、韓国からアメリカ軍を撤退させようと考えている。アメリカ軍

がいなくなれば、韓国は核兵器を持っていないから朝鮮半島はこっちのものだ、という

長期戦略を持っているのでしょう。

国際社会は、北朝鮮のそういう思惑を察しています。アメリカが北朝鮮の核保有を認め

て平和条約を結ぶことはないと考えています。ところがアメリカのトランプ大統領は「

アメリカファースト」、アメリカ第一主義を唱えています。アメリカさえよければ、ほ

かの国はどうなってもいい、という独善的な考え方です。「再び朝鮮戦争が始まっても

、死ぬのは朝鮮半島の人々でアメリカには関係ない」という発言をしたこともあります

トランプ大統領が日本のことを考えずに、北朝鮮と平和条約を結んでしまうのではない

か。日本の政府の中にも、疑心暗鬼になっている人たちがいます。

アメリカのトランプ、北朝鮮金正恩、予測不能な両国の間で、日本はどんな対応をす

ればよいのか。大変難しい課題に直面しているのです。