仏様との茶話も…

  ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

 災害はこれでもかと折り重なるように

東北に被害をもたらしています。

気が付けば お彼岸が来ていたのですね。

 当地も主ぐるしいスタートです。

命の重みを突き付けられる営みに心が折れそうです。

生きることは大変です。

もはや あの世の知り合いが多くなったこの頃

想像してみるだけでも楽しくなる。

 あの世のお方と茶飲み話も楽しいことだろう。

いろいろ想像の中のお話を膨らませたいものです。

【朝晴れエッセー】キッチンでのお茶会・3月19日 (2022年03月19日)

キッチンにある母の嫁入り道具の古い茶?笥(だんす)の上に、父の写真を飾った。

タバコをおいしそうに燻(くゆ)らせている。

写真を撮ろうとすると緊張する父だったが、この写真はくつろいでいて、普段の父らし

くて大好きな一枚だった。

それから月日を重ね、いつの間にか、茶?笥の上には母や叔母、義父や友人と写真が増え

ていった。

義父は庭先に座り、趣味のサツキの世話をしている。

友はギターを弾き、叔母と母は、おめかしして笑っている。

ある日、私が一人キッチンでコーヒーを飲みながら茶?笥の方をふと見ると、皆が笑顔で

こちらを見てくれていることに気づいた。

朝晩お茶を、それぞれに供えてはきたが、私と一緒に皆がお茶会をしてくれているとは

気づかなかった。

昔のままの、にこやかな笑顔に囲まれていると「そっちの世界も悪くないね」。

そう思えてきた。

「だけど、もうしばらくは、私はこっちでがんばるからね」と写真たちに話しかけた。

この冬、茶?笥の上に、夫の写真が仲間入りした。

井上由季恵(67) 兵庫県宝塚市