ウクライナが白旗を 挙げればよいのか…

  ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

雨のスタートです。

この激戦は、耐えがたい 心労もあるかと思いますが

どうか頑張りぬいてください。

山々は春一色の小春日和です。

この青空の果てには襲撃戦で血の海ともなっているのでは…

祖国のためにがんばる人もまたいます。

プーチン私大でどうにでもなるこの襲撃戦ん

ウクライナに白旗本声が上がる中

この激戦はなおも続いています。

ウクライナは白旗あげたらいい」の声に激怒の訳 AERA dot.

――ウクライナ西部にある街、リビウ。美しい街並みはユネスコ世界遺産に登録され

、歴史の深さを感じさせる。3月5日、ジャーナリストでジャパンプレス代表の佐藤和孝

さんがリビウに入り、取材を続けている。

佐藤:日本で思っているよりも、ウクライナ全土が戦地になっているわけではありませ

ん。ロシアに近いハリコフやマリウポリキエフは激しい状況ですが、今のリビウはマ

ーケットにも食料が並んでいるし、電気やガス、水道も滞りなくある。でも、会社はや

っていないし、学校も幼稚園から大学まで休校です。

リビウはウクライナ各地からのハブになっていて、ポーランドに脱出する人や安全な地

方に避難する人たちが集まっています。そうした人たちをケアするために、市民は炊き

出しや物を配るボランティア活動に従事している。空からの攻撃を想定して戦車や装甲

車をカモフラージュしたり、火炎瓶を作ったりしている人もいる。街は戦時下というよ

り、準戦時体制に入っています。そういった意味でリビウは平穏には見えるけれど、戦

火をひしひしと感じている雰囲気です。――佐藤さんはこれまで、アフガニスタンをは

じめ、チェチェンイラクなど数々の紛争地を取材し、街に暮らす市井の人の声を伝え

てきた。リビウでも、衝撃的な出会いがあった。佐藤:町工場の若社長として働く30歳

の青年がいました。普段は台所用品を作っていたけれど、今は戦車や装甲車が街に侵入

しないためのバリケード、そして兵士たちがつける「ドッグタグ」を作っている。普通

、ドッグタグには名前や生年月日、血液型や国籍、そしてナンバーが刻まれています。

でも、彼が作っていたのはナンバーしか書いていない、名前のないドッグタグでした。

僕がリビウで話を聞いた人たちは、国を守るために戦争に行くと話しました。当然亡く

なる人も出てきます。その人たちが無名のドッグタグをつけている。それを見たとき、

切なくなった。一人の存在が、番号だけっていうのは……。――その青年には7歳と3歳

の子どもがいる。あなたも銃を持って戦争に行くのかと問いかけると、「行きたい」と

答えた。佐藤:でも、これまでに戦ったことのない青年です。恐怖について聞くと、「

そりゃ怖い」と。「でも、自分が死ぬよりも怖いのは、この国が消滅すること」「だか

ら戦う」と言った。日本のどこかの評論家だかで、「ウクライナは白旗をあげたらいい

」と言った人がいるんでしょう。大馬鹿者ですよ。だったらウクライナに来て、みんな

にそう言いなさいと思う。自分の国、文化や歴史がなくなるんですよ。安全圏で何もわ

かっていない、命を懸けたこともない人がこれから命を懸けようとしている人たちに向

かって言える言葉じゃない。この国はロシアに踏みにじられてきました。ソ連崩壊でよ

うやく独立国家になったのに、またそのときに戻ってしまう。そうならないために血を

流すことを彼らは厭わない。ゼレンスキーも含め、名もない人たちの気概がこの国を勇

気づけているんです。なのに、「10年後にはプーチンが死んでいるだろうから、その後

、国に帰ったらいい」なんて馬鹿なことを言っている。このままだと、10年でこの国は

なくなるんです。腹の底から怒りを覚えます。大勢と一人「命」の重さ――世界はロシ

アに対しての制裁を強化し、それはウクライナ国民の励みにもなっている。だが、課題

もあると指摘する。佐藤:西側諸国といわれる国が自分たちの味方になってくれている

ことはよく認識していて、それが戦うモチベーションの一つになっていることも否めま

せん。でも、じゃあ我々はそれを続けていけるのかということも問われてくる。応援の

仕方は色々あるのだと思いますが、ウクライナへの武器の供与以上のことをすると第3次

世界大戦になってしまう。世界の指導者のなかには、自分たちが火の粉をかぶらないた

めにウクライナを犠牲にしてもいいと考える人たちもいる。この問いが正しいかはわか

りませんが、大勢の命と一人の命のどっちが大事かということになるかもしれない。そ

うならないように、外交なども含め世界は動かないといけない。この戦争は長期化する

と思います。だって、多くの人たちが戦う意志を持っている。自分たちの国を自分たち

の血をもって守ろうとしている。その魂は消えません。アフガニスタン侵攻でも、ソ連

軍が入って10年で撤退を余儀なくされた。結局、勝てないんです。――ロシア軍がシリ

アで兵士を募集しているとも報じられ、行き詰まりが見えている。佐藤:兵士の数が多

くても、戦闘経験のない人間は現場では使えません。「ワグネル」といわれる傭兵集団

がいますが、彼らは戦闘経験が豊富です。つまり、人の殺し方を知っているということ

です。シリアの兵士も同じで、人を殺すことに慣れている。そういう人間を使って、な

んとかウクライナを制圧したいと思っているんでしょうね。でも、キエフでロシア軍が

政府機関などを押さえたとしても、周りは敵だらけです。ロシア軍にとっても危険なこ

とで、市街戦やゲリラ戦になってくる。長く続けば戦闘意欲やモチベーションもなくな

っていくでしょう。この戦争を長期的に遂行する経済的な裏付けがロシアにあったかと

いうと、難しいんじゃないですか。もともとGDPも低いし、経済制裁もある。中国が助け

るといっても限度があります。ロシアにも反対派の人がたくさんいるし、今やっている

ことは「きょうだい殺し」です。多くの国民は心を痛めているんじゃないかと僕は思う

。ただ、国内世論が反プーチンに傾くほど、彼はますます弾圧しなければならなくなる

。今後プーチンウクライナ、世界、そしてロシア国内とも戦わなければいけなくなり

ます。その覚悟を彼は持っているのか。核があると脅かしますが、それを撃てばロシア

も消滅します。プーチンルーマニアチャウシェスクのような形で終わってしまうか

もしれません。止められるのはロシア人しかいないと僕は思っています。世界に見えな

い街や村――様々な国を歩いてきたが、これまで見た戦場とは「質」が違うという。佐

藤:アフガニスタンイラク、シリアというのはある地域の戦争です。僕のなかでは、

世界大戦になるというようなものではなかった。ユーゴスラビアの戦争は世界大戦の可

能性を秘めていましたが、各地に火の粉が及ばないようにヨーロッパ各地もいろいろと

手を打ちました。今度はロシアの正規軍が自分たちの論理だけで他国に侵攻し、第3次世

界大戦の可能性もはらんだ非常に危機的な状況だと思います。今までの現場とは質が全

く違う。だから世界は必死になっているんだけど、行き詰まり感も出てしまっている。

キエフやハリコフから避難してきた人たちは、とにかく攻撃が激しいと口をそろえます

。狙撃兵までいるから、外に出られず命からがら逃げてきたと。でも、そういった街や

村には記者もいないので、世界に見えていないんです。やりたい放題になって、どんど

ん残虐な方向に向かってしまう。今後、キエフでも取材したいと思っています。1956年

生まれ。独立系通信社「ジャパンプレス」代表。山本美香記念財団代表理事。80年から

アフガニスタンで取材を行い、その後も様々な紛争地を取材した。近著に『タリバン

眼 戦場で考えた』など(構成/編集部・福井しほ)※AERA 2022年3月21日号から

リビウはウクライナ各地からのハブになっていて、ポーランドに脱出する人や安全な地

方に避難する人たちが集まっています。そうした人たちをケアするために、市民は炊き

出しや物を配るボランティア活動に従事している。

空からの攻撃を想定して戦車や装甲車をカモフラージュしたり、火炎瓶を作ったりして

いる人もいる。街は戦時下というより、準戦時体制に入っています。そういった意味で

リビウは平穏には見えるけれど、戦火をひしひしと感じている雰囲気です。

――佐藤さんはこれまで、アフガニスタンをはじめ、チェチェンイラクなど数々の紛

争地を取材し、街に暮らす市井の人の声を伝えてきた。リビウでも、衝撃的な出会いが

あった。

佐藤:町工場の若社長として働く30歳の青年がいました。普段は台所用品を作っていた

けれど、今は戦車や装甲車が街に侵入しないためのバリケード、そして兵士たちがつけ

る「ドッグタグ」を作っている。普通、ドッグタグには名前や生年月日、血液型や国籍

、そしてナンバーが刻まれています。でも、彼が作っていたのはナンバーしか書いてい

ない、名前のないドッグタグでした。

僕がリビウで話を聞いた人たちは、国を守るために戦争に行くと話しました。当然亡く

なる人も出てきます。その人たちが無名のドッグタグをつけている。それを見たとき、

切なくなった。一人の存在が、番号だけっていうのは……。

――その青年には7歳と3歳の子どもがいる。あなたも銃を持って戦争に行くのかと問い

かけると、「行きたい」と答えた。

佐藤:でも、これまでに戦ったことのない青年です。恐怖について聞くと、「そりゃ怖

い」と。「でも、自分が死ぬよりも怖いのは、この国が消滅すること」「だから戦う」

と言った。

日本のどこかの評論家だかで、「ウクライナは白旗をあげたらいい」と言った人がいる

んでしょう。大馬鹿者ですよ。だったらウクライナに来て、みんなにそう言いなさいと

思う。

自分の国、文化や歴史がなくなるんですよ。安全圏で何もわかっていない、命を懸けた

こともない人がこれから命を懸けようとしている人たちに向かって言える言葉じゃない

この国はロシアに踏みにじられてきました。ソ連崩壊でようやく独立国家になったのに

、またそのときに戻ってしまう。そうならないために血を流すことを彼らは厭わない。

ゼレンスキーも含め、名もない人たちの気概がこの国を勇気づけているんです。

なのに、「10年後にはプーチンが死んでいるだろうから、その後、国に帰ったらいい」

なんて馬鹿なことを言っている。このままだと、10年でこの国はなくなるんです。腹の

底から怒りを覚えます。

大勢と一人「命」の重さ ――世界はロシアに対しての制裁を強化し、それはウクライナ

国民の励みにもなっている。だが、課題もあると指摘する。

佐藤:西側諸国といわれる国が自分たちの味方になってくれていることはよく認識して

いて、それが戦うモチベーションの一つになっていることも否めません。でも、じゃあ

我々はそれを続けていけるのかということも問われてくる。

応援の仕方は色々あるのだと思いますが、ウクライナへの武器の供与以上のことをする

と第3次世界大戦になってしまう。世界の指導者のなかには、自分たちが火の粉をかぶら

ないためにウクライナを犠牲にしてもいいと考える人たちもいる。この問いが正しいか

はわかりませんが、大勢の命と一人の命のどっちが大事かということになるかもしれな

い。そうならないように、外交なども含め世界は動かないといけない。

この戦争は長期化すると思います。だって、多くの人たちが戦う意志を持っている。自

分たちの国を自分たちの血をもって守ろうとしている。その魂は消えません。アフガニ

スタン侵攻でも、ソ連軍が入って10年で撤退を余儀なくされた。結局、勝てないんです

――ロシア軍がシリアで兵士を募集しているとも報じられ、行き詰まりが見えている。

佐藤:兵士の数が多くても、戦闘経験のない人間は現場では使えません。「ワグネル」

といわれる傭兵集団がいますが、彼らは戦闘経験が豊富です。つまり、人の殺し方を知

っているということです。シリアの兵士も同じで、人を殺すことに慣れている。そうい

う人間を使って、なんとかウクライナを制圧したいと思っているんでしょうね。

でも、キエフでロシア軍が政府機関などを押さえたとしても、周りは敵だらけです。ロ

シア軍にとっても危険なことで、市街戦やゲリラ戦になってくる。長く続けば戦闘意欲

やモチベーションもなくなっていくでしょう。

この戦争を長期的に遂行する経済的な裏付けがロシアにあったかというと、難しいんじ

ゃないですか。もともとGDPも低いし、経済制裁もある。中国が助けるといっても限度が

あります。ロシアにも反対派の人がたくさんいるし、今やっていることは「きょうだい

殺し」です。多くの国民は心を痛めているんじゃないかと僕は思う。

ただ、国内世論が反プーチンに傾くほど、彼はますます弾圧しなければならなくなる。

今後プーチンウクライナ、世界、そしてロシア国内とも戦わなければいけなくなりま

す。その覚悟を彼は持っているのか。核があると脅かしますが、それを撃てばロシアも

消滅します。

プーチンルーマニアチャウシェスクのような形で終わってしまうかもしれません。

止められるのはロシア人しかいないと僕は思っています。

世界に見えない街や村

――様々な国を歩いてきたが、これまで見た戦場とは「質」が違うという。

佐藤:アフガニスタンイラク、シリアというのはある地域の戦争です。僕のなかでは

、世界大戦になるというようなものではなかった。ユーゴスラビアの戦争は世界大戦の

可能性を秘めていましたが、各地に火の粉が及ばないようにヨーロッパ各地もいろいろ

と手を打ちました。

今度はロシアの正規軍が自分たちの論理だけで他国に侵攻し、第3次世界大戦の可能性も

はらんだ非常に危機的な状況だと思います。今までの現場とは質が全く違う。だから世

界は必死になっているんだけど、行き詰まり感も出てしまっている。

キエフやハリコフから避難してきた人たちは、とにかく攻撃が激しいと口をそろえます

。狙撃兵までいるから、外に出られず命からがら逃げてきたと。でも、そういった街や

村には記者もいないので、世界に見えていないんです。やりたい放題になって、どんど

ん残虐な方向に向かってしまう。今後、キエフでも取材したいと思っています。

1956年生まれ。独立系通信社「ジャパンプレス」代表。山本美香記念財団代表理事。80

年からアフガニスタンで取材を行い、その後も様々な紛争地を取材した。近著に『タリ

バンの眼 戦場で考えた』など

(構成/編集部・福井しほ)

AERA 2022年3月21日号から ソ連から、民主主義にと回答したのになぜなのか…