立憲と維新の会の泥仕合。

  ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

ウクライナ情勢により原油の高止まりはピークアウトが期待できない。

2000円くらいの値上げは覚悟もいるのではと楽観視してもいます。

北風がさらに体感温度を下げてもいます。

立憲民主と維新の会の泥仕合は自民に有利に左右するのだろうけど…

維新と立憲「ヒトラー発言」で不毛な泥仕合の末路 泉 宏

立憲民主党菅直人元首相によるいわゆる「ヒトラー」発言で、日本維新の会との対立

泥仕合の様相を呈している。激しい罵り合いは収まる気配がないが、オミクロン対策

で苦闘する岸田文雄政権は、「野党間対立による漁夫の利」(自民幹部)にひそかにほ

くそ笑んでいる。

通常国会での与野党論戦は、年明け以来の新型コロナの新変異種オミクロン株の感染爆

発への岸田首相の対応の是非が最大の争点。しかし、降ってわいたような野党の第1党と

第2党の派手な場外乱闘をメディアが大きく報道し、オミクロン対策をめぐる論争の影が

薄れている。

自民党内では「野党同士がけんかすれば参院選は与党に有利」(同)との期待も隠さな

い。最新の各種世論調査で岸田内閣の支持率上昇は頭打ちだが、政党支持率では立憲、

維新両党の低下傾向も目立つ。このため、このまま両党が対立を続ければ、「両党への

国民的不信感も拡大する」(同)と読むからだ。

きっかけは菅氏による“口撃”

この大げんかは、立憲民主・最高顧問の菅氏が、維新創始者橋下徹大阪市長と現在

の維新幹部について、1月21日に自身のツイッターで以下のような投稿をしたことがきっ

かけ。

「橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし、

『維新』という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本

的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイ

ツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」

まさに菅氏による野党内の敵への“口撃”だ。

当然、維新側は猛反発し、同党代表の松井一郎大阪市長はすぐさま自身のツイッター

、「民間人と我々をヒットラー呼ばわりとは、誹謗中傷を超えて侮辱です」と強く抗議

した。

これを受けて維新は1月26日、立憲執行部に対し撤回と謝罪を求める抗議文を提出。しか

し、立憲の泉健太代表は、「(ヒトラーに例えた)揶揄、批判、警鐘を鳴らすのは枚挙

にいとまがない。一律に駄目とはならない」と反論。「菅氏の個人的発言」と党として

の対応を拒否した。

また菅氏も「ツイッターは党の指示ではなく私の一存で発した。私の感想を述べたもの

。維新からは私には直接何も言ってきていない。私のツイッターに抗議するなら私にす

るべき。いずれにしても的外れな謝罪要求に応ずるつもりはない」と改めて投稿。

これに対し松井氏は1月27日、大阪市長の定例会見で記者団に対し「菅さんは公党の最高

顧問であり、日本の総理経験者。その人が弁舌巧みとはいう理屈であろうと、人をヒッ

トラーに見立てるというのをやっていいのか。国際社会で通用するのか」と噛みついた

しかし、立憲執行部も菅氏も謝罪などは一切拒否。業を煮やした維新側は2月1日昼、馬

場伸幸共同代表がメディアを引き連れて、衆院議員会館で隣の菅氏の事務所に突入し、

メディア公開の形で約20分間、激しいやり取りを展開した。

馬場氏の直接抗議も菅氏は拒否

中継機器も抱えたメディアを引き連れて乗り込んできた馬場氏に対し、菅氏はまず「橋

下氏は現在、維新とどういう関係にある人物か」と先制攻撃。馬場氏が「今はまったく

関係ない」と答えると「なぜ、まったく関係がない橋下氏の問題に維新が抗議するのか

」と抗議は受け付けない考えを明確にした。

これに対し、馬場氏は「非道の限りを尽くした独裁者になぞらえた侮蔑発言は断じて見

過ごせない」などと謝罪と撤回を求める抗議文を手渡したが、菅氏は強い口調で「お帰

りください」を連呼し馬場氏を追い出した。

この状況は「政党の最高幹部同士のやり取りとは思えない子どもじみたケンカ」(閣僚

経験者)だが、両党の抜き差しならない対立を浮き彫りにする一幕でもあった。

たしかに、誰もが知る維新創業者の橋下氏について、馬場氏がことさら「今は党とは無

関係の民間人」と力説したことには、立憲だけでなくほかの政党幹部の多くが「橋下氏

が依然、維新への影響力をもっていると、ほとんどの国民が考えている」と指摘。自民

党は「無関係と言えば言うほど、維新の二重構造を露呈するだけ」(幹部)と皮肉った

そもそも大阪維新の会(当時)を立ち上げて以来、橋下氏がヒトラーに例えられたこと

は少なくない。また、橋下氏自身がヒトラーの名前を使って批判を展開したこともある

2012年に当時の民主党政権を率いた野田佳彦首相が消費税を5%から10%に段階的に引き

上げる法案を国会提出した際、橋下氏は記者団に対し「マニフェストにまったく書いて

いないものを出してくるのは完全な白紙委任ヒトラーの全権委任以上だ」と厳しく批

判している。

こうした過去を踏まえた立憲やメディアなどが「橋下氏はダブルスタンダード」と非難

すると、橋下氏はすぐさまツイッターで「僕は消費税増税法案を批判したわけで、民主

党の法人格全体をヒトラーに重ね合わせて侮辱したわけではない」と反論した。

まさに、売り言葉に買い言葉で、両党の場外乱闘はエスカレートするばかり。ただ、そ

の背景には参院選をにらんでの両党の厳しい闘いがあることは間違いない。昨秋の衆院

選でも、維新が立憲の票を奪い取った結果、立憲が敗北したとされるからだ。

自民党の本音は「高みの見物」

最新の各種世論調査では、政党支持率で維新が立憲を大きく上回っており、どちらも引

くに引けない状況だ。

ただ参院選で、公明、共産両党も含め、自民以外の各党がどんぐりの背比べ状態で競り

合う展開となると、「ドント方式で獲得議席が決まる比例代表では、相対的に自民が有

利となり、しかも、1人区で野党が候補一本化で対立すれば、こちらも自民を利する」(

選挙アナリスト)のは明らかだ。

だからこそ、自民は「政治家をヒトラーに、政治団体ナチスに例えるのは、最大の侮

辱」(世耕弘成参院幹事長)などと、立憲を攻撃する維新を擁護するふりもするが、本

音は「高みの見物」(自民幹部)だ。

これまでの衆院予算委を舞台とする通常国会与野党論戦は、野党がそれぞれの立場で

岸田首相のコロナ対策や新しい資本主義を攻撃するが、暖簾に腕押しで、まったく盛り

上がっていない。すでに3回も設定された集中審議でも波乱がなければ、来年度予算案の

早期衆院通過は確実だ。

国民がおびえるオミクロン株の感染爆発も、現状では「近い将来のピークアウト」(官

邸筋)が見込まれている。それだけに、政権と厳しく対峙するはずの野党同士が仲間割

れすれば「与党参院選勝利のための“最大の援軍”になる可能性は大きい」(選挙アナ

リスト)。

岸田首相は1月31日と2月2日の2回の衆院予算委集中審議は無難に乗り切った。ただ、オ

ミクロン株の全国的感染爆発はなお続き、東京、大阪、愛知の3大都市圏からの緊急事態

宣言発出要請も日増しに現実味を帯びる。

それでも、岸田首相が自信と余裕の表情をみせるのは、「このまま安全運転を続ければ

、野党の共倒れで参院選も有利になる」(周辺)のが理由とされる。ただ、与野党双方

に「コロナ対策より選挙優先」への反省と自覚がなければ、国民の政治不信がさらに拡

大し、参院選後の岸田首相の政権運営が厳しくなる可能性は少なくない。

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