読書はじんせいのおくすり!

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

 本は人生のお薬と考えています。

おはようございます。

気持ちよい快適な朝です。

 バックには学園時代が流れています。 出会いも、経験も少ない中でいろんな人生に身近に触れることの本は

人間的視野も広めてもくれますし

本に触れてよかったと思えることは

周囲を見回せる力が身につくことではないでしょうか。

 年を重ねたら読もうと買いためた本にも触れることもなくお蔵入りです。

本を一気に読める時期は若いころかもしれません。

 90歳の友が図書館で一時に5冊図りて

沢山の本を読んでいたが、近頃では、車の免許も返上し

長く読むだけの気力が次第に失われていくと

残念がってもいます。

 年を重ねると時間だけはたっぷりあるけれど

失われるものには逆らえない生理的要因もあります。

出来るときに読書は楽しみたいものです。

 今は待っているのは。58歳ですいっ象嵌で旅立った山本文雄にはまっています。 今では読書は睡眠薬よりも聞く読書スタイルです。

     東洋経済より。

 やはり小さなころからの習慣もいるのだと思えます。

「自分らしく生きる」とはどういうことか 齋藤孝「本を読まない人たちが知らない人生」

今年の2月、大学生協が発表した報告書によると、大学生の53.1%が1日の読書時間につ

いて「ゼロ」だと回答したそうです。1日の読書時間の平均は23.6分、一方で1日のスマ

ートフォン利用時間の平均は177.3分になるそうです。これは非常に驚くべきことです。

読書は生きるための基本

私は職業柄、人間が自己形成をしていくうえで、読書がいかに大切かということを身を

もって知っています。たとえば哲学者のニーチェは『ツァラトゥストラ』の中で「読書

をする怠け者を憎む」と述べています。つまりニーチェは、自己形成のためには読書を

するだけではなく、自分で考えることが大切だと言っているのです。

しかし現代人は、自分で考えるどころか、本すら読まなくなってきている。これは非常

に深刻な事態でしょう。人間が生きていくうえで欠かせないのが「思考力」です。知識

をもとにして自分の頭でものごとを考え、価値観を培っていく。そのベースとなるのが

本であり、読書であるからです。

本というのは基本的に、「偉大な他者が書いたもの」です。それらを読むことで、自分

の思考を深め、精神を高めることができる。たとえば、夏目漱石が書いた本を持ち歩き

、読むことで、偉大な人とつねにつながっている感覚を得ることができます。読書とは

、他者の話に耳を傾け、自分自身と向き合うことです。その他者が偉大であればあるほ

ど、一流の思考を自分自身に取り入れ、人間としての骨格を形成するきっかけを与えて

くれるのです。

たとえば、サッカー・スペインリーグのFCバルセロナに所属しているメッシというプレ

ーヤーがいますね。メッシのような一流のプレーヤーは、すべてのプレーで見る人を感

動させ、刺激を与えることができる。バスケットにおけるマイケル・ジョーダンもそう

です。私たちがこれらの人物に直接会えることはまれです。しかし、会う機会はめった

になくても、一流の人の本ならば、いつでも誰でも触れることができます。

私は、現代人は文学を読むことの優先順位を高く設定すべきだと思っています。なぜな

らば文学作品は、「自分の経験以上のもの」を与えてくれるからです。たとえば、『ジ

ャン・クリストフ』という長編小説があります。この小説には、主人公が生まれてから

死ぬまでの出来事が詳細に描かれています。このような小説を読んでいると、別の人間

の人生を生きたような感覚を得ることができるのです。

当たり前ですが、私たちは私たち固有の人生を生きているので、他人の人生を生きるこ

とはできません。しかし文学を読むことで、他人の人生を追体験することはできる。こ

れが非常に大事なことです。言い換えると、他人の気持ちに感情移入し、想像するとい

うことですね。

さらにこの経験は、私たちに「寛容さ」を教えてくれます。人間は「寛容さ」を身に付

けるからこそ成長していくことができると、私は思っています。人が生きていくうえで

は、他人の考えを想像して理解し、認めて、受け入れることが求められます。そのよう

な力を培うことができるのが、文学なのです。

文学を読むと、自分の弱い部分や、他人に対して攻撃的になってしまう「過剰な部分」

を認めることができるようになり、人間としてのバランスが培われます。文学が描く「

日常生活では経験できない世界」を通り抜けることで、精神的に成長することができる

のです。

自分らしく生きるには

一方で、文学は私たちがこれまでに経験してきたことを思い出させてくれる力も持って

います。今回、『別冊NHK100分de名著?読書の学校』の特別授業で中学生に読んでもらっ

た『銀の匙』という本は、そんな1冊です。この本には、著者である中勘助が子ども時代

に経験した一つひとつの思い出が2ページ程度で描かれ、それに伴い主人公は成長してい

きます。

たとえば本書には、子ども時代に経験したお祭りの話が出てきます。その部分を読んだ

ときに私たちの頭の中で何が起こるかというと、まずは作品に描かれている中勘助の経

験を想像します。そして同時に、「そういえば、自分も小さいころにお祭りに行ったな

」と、自分の経験と照らし合わせます。つまり、中勘助の経験と自分の経験の2つを並行

して追いかけているのです。文学を読む楽しみは、作者の経験に寄り添い、作品の世界

へと深く入りこんで、その世界を共有することにあります。本を読むことは、大変高度

で知的な作業なのです。

この『銀の匙』から私たちが学べることは何か。ひとことで言うと「生き方の価値観を

考え直す」ことの重要性です。普段、私たちは現代社会のさまざまな価値観に縛られて

います。たとえば、学校や会社ではつねに競争することを求められます。時には、何が

損か得かを考えて行動しなければなりません。しかし『銀の匙』の世界には、そのよう

な経済合理性の外にあるものの豊かさが多く描かれています。

子ども時代を思い返すこと自体はおカネを生み出しませんし、おカネがかかることでも

ありません。しかし、自分の好きなものを好きだと言えた子ども時代、何のしがらみも

なく自由に生きていたあの頃を思い出すことは、どのような状況にあっても、自分らし

く生きることの価値を再認識するきっかけを与えてくれるのです。

これは人生を後ろ向きに考えることではなく、人生を掘り起こすことなのです。「自分

の人生なんて大したものではない」と思っている人にこそ、この『銀の匙』を読んでも

らいたい。人生の意味は与えられるものではなく、見いだすものです。日中は一生懸命

働いて、会社の外では文学の世界に少しでも浸ってみる。そうした異なる2つの世界を往

復することで、人生本来の豊かさを再発見することができるのです。

読み聞かせの効用

子どもを持つ親には、子どもに『銀の匙』を読み聞かせることをおすすめします。『銀

の匙』のように、昔の話を読み聞かせる場合は、子どもにとってわからない言葉や言い

回しが多いでしょう。でも、子どもにとってわかりやすいことだけが、ためになるとは

限りません。少しくらいわからないことがあるほうが面白いんです。すべてをかみくだ

いてしまうと、物語自体の魅力がなくなってしまいます。ですから、わからない言葉が

あっても、わからないなりに親が読んであげることが大切です。

喜劇役者として有名なチャップリンのお母さんは役者だったので、何かを子どもに説明

する際、その人物になりきって話をしていたそうです。チャップリンが大人になって、

感性豊かな作品を作り続けられたのは、この母親の影響が大きかったのではないでしょ

うか。

本を読むとき、私たちは文字を追いながら映像をイメージしますが、子どもはこの作業

に慣れていません。そこで、親は子どもがイメージしやすいように情感を込めて読んで

あげる。そうすると、子どもは頭の中の映像に集中でき、作品世界の理解につながりま

す。

中勘助の作品は、最初の数ページを読んだだけでも、私たちのこころをつかんで放さな

い力をもっています。人の言葉は、その人が死んでも作品の中に生きているものです。

この『銀の匙』の中には中勘助が生きています。また、そのような言葉を読むことでこ

そ、生きるうえでの自分だけの支柱を立てることができるのです。

本を読み、見識を広げ、寛容さを身に付ける。そして人間理解を深め、感性を豊かにす

る。本を読むことで、私たちは確実に人格をつくっていくことができます。自らを成長

させるために、1日に1時間でもいいので、本の世界に浸ってみてはどうでしょうか。