大根のつぶやき…

  ご機嫌いかがでしょうか。 視界ゼロのみこばあちゃんです。

おはようございます。

 季節の寒さは、まだまだ体がなじんではいません。

 大根といえば今が最盛期です。

 このあったかさで虫食いの葉っぱに苦戦した人は多かったはず。

 農家のモノ作りは大変です。

その割に人件費が出ないほどの市場価格。

野菜は、

生産者から消費者へと届けられるといいます。

生産者 → JA → 中央卸売市場 → 仲卸会社 → 販売店 → 生活者

この流通にはいくつかのメリットがあります。

・生産者がJAに卸せば販売を考えずに安心して生産に取り組める

・市場には全国から野菜が集まり全国へ配送できる

・輸送効率がいいので流通コストが安い

・近所のスーパーなどで遠隔地の作物が手軽に手に入る

では、生産者が野菜を売りに出すときに、誰がその価格を決めるのでしょうか?

正解は中央卸売市場。

人件費や肥料代などの農家の生産コストにおかまいなく

野菜の値段はそのときの市場で決まります。

だからここで引き取り手がいないと

トマト一箱1円などというバカげた値段がつくわけです。

もちろん市場価格があまりに安いと農家は生活していけません。

そこで農家は、市場価格が高い時期を狙って

同じ品目が大量に出回る「旬」を避けて野菜を出荷します。

寒い時期にビニールハウスで灯油を焚いて

野菜をつくる、なんてことが起きるわけです。

また、おいしいけれども傷みやすい

完熟の時期を待って収穫するのではなく、

日持ちがして流通コストが安くなるよう

同じ大きさ、同じ太さ、同じ長さで

曲がりのない梱包しやすい

見た目のいい野菜を生産するようになります。

ではもし、農家が直接消費者に販売するとどうなるのか。

・中間マージンがなくなる

・農家が自分で価格を決められるようになる

・生産者が自分で消費者のもとに運ぶので流通コストは高くなる

・生産のほかに販売の手間がかかる

都内でも農家が直接消費者に販売する様子が

報道されていましたが、

もしこういう「場」を安定的に確保できれば

旬の時期にもっとおいしい野菜が

食べられるようになるのかもしれません。

ちなみに私たちが大根を

スーパーで1本100円で買ったとしたら

生産者にはどのぐらい収入があるのでしょうか。

何段階ぐらいの流通過程を経るかにもよりますが

先ほどの図のように流通した場合、

だいたい53円ぐらいだそうです。

そのうち、種苗代、肥料代、地代、農薬代、機械代などの

生産コストや人件費、販売管理費などを引くと、

手元に残るのは15円ぐらい。

もっと農家が恵まれた収益を期待したいもの…農家の日田座さえ出食糧自給率39%は確

【朝晴れエッセー】ダイコンの夢・11月24日 (2020年11月24日)

 以前お手伝いに行った農家では今頃、ダイコンを出荷する最盛期ではなかろうか。

 1日数千本のダイコンを出荷するのだが、天気の良い日は足元もよいが雨が降れば過

酷である。畑はぬかるみ足首ぐらいまで埋もれる。長靴には土が付き足取りも重くなる

 体の小さな奥さんは、それでもご主人に負けまいと頑張っておられる。太く重いダイ

コンを1本ずつ引っこ抜き、腕に抱えてふんばるが、足がよろめく。

 抜き取ったダイコンは、葉を切り取り、土を洗い落とすため風呂に入れるように水槽

に入れる。

 秋はあっというまに日が沈み暗くなる。裸電球の下で水槽に沈んでいるダイコンを拾

い上げ、わが子を洗うように慈しみ手で土を落としてやると、子供が足をバタつかせる

ように水滴が顔や服をぬらす。

 積み重ねられた洗い終わったダイコンは、透き通るように白くまぶしいほど美しい。

お嫁に行っておいしいと食べてもらえと祈る。

 翌朝一番に1本ずつ検品をして箱に詰めて出荷するが、素人の私には良品も不良品も

判別ができない。小さなシミのような傷痕でも不良品という。

 味には関係ないと思いつつ、産地の信用に傷を付けてはいけないと厳しく検品される

姿を見て、自分自身をもっと大切にしなければいけないと気分を引き締めた。

 いまも店頭に行くと自然とダイコンに目が向き、売れ残った1本のダイコンがあれば

、妻の持つ買い物カゴにかわいそうにと入れてやる。

溝上正八郎(73) 広島県福山市

保されています。