雷様は逃げるが勝ち!
ご機嫌いかがでしょうか。
視界ゼロのみこばあちゃんです。
夏の季語かと迷うほど、「ぴか ドロドロドローン」は定番でした。
ところがどうでしょう…?
この夏に入って、雷鳴を聞いたことがありません。
雷、地震、親父が怖いものの代名詞のように
昔から言い伝えられてきています。
たしか、栃木のお坊さんが雷の病気を治したことで、雷がたいそう喜び
「雷除けの木としてきささげを進めて
、よく落ちていた雷が落ちなくなったといった
民話があったような、無かったような…
昔は入道雲が沸き上がり、雷鳴とともに大夕立。
こんな光景の夏は日常茶飯事のようにありました。
よかったのかどうかわかりませんが、幼いころは
押し入れに隠れて雷鳴が沈むのを、ひたすら待ったものです。
雷はどうしてできるのでしょうか。雲の中でできることは確かですが,どの雲の中でも
雷が発生しているわけではありません。雷が発生するときとそうでないときがあります
。雷の素は静電気です。物がこすれ合うと静電気が発生することがありますね。「例え
ば,下敷きを脇の下でこすって,頭にかざすと髪の毛が逆立ちます。また,冬の乾燥し
た日に車を降りるときに,衣類といすがこすれ合って,ドアに触れる直前に火花が散る
ときがあります。」雲もこれと同じです。雲の粒がこすれ合って静電気が発生します。
激しくこすれ合うと雷が発生します。
2 雲の中
落ちてくる雨粒の大きさは,0.2mm~4mm程度ですが,雲の粒は直径でこの100分の1程
度,体積で100万分の1程度の大きさです。重力によって落下はしていますが,小さいた
めにその大きさの割に空気の抵抗が大きく,非常にゆっくり落下しています。雲の底で
は蒸発をしてしまうこともあり,また,上昇気流にも支えられて,同じ高さのところに
浮かんでいるように見えます。雲の粒は水滴の場合もありますが,上空は気温が低いの
で,氷になっていることもあります。0℃以下でも水の表面張力のために空中では凍り
にくいので,水滴になっていますが,ふつう氷点下20℃程度以下の場合にはすべて氷に
なっています。夏の入道雲では,地表付近が30℃でも上空ほど気温が低く,入道雲の上
の方では,氷点下50℃にもなっています。雲の下の方では水滴でも,上の方では氷の粒
になっています。
3 静電気の発生
氷の粒は,冷凍庫の霜ができるのと同様に,空気中の水蒸気が直接固体に変化すること
によってできます。気体の水蒸気は液体の水滴よりもかなり敏速に移動できるので,水
蒸気はどんどん氷に付着して,氷の粒は急速に成長することができます。そして,重く
なって落下しようとします。しかし,日射によって地表が温められ,強い上昇気流があ
るときは,舞上げられてなかなか落ちてこれません。雲の中で上昇したり落下したりし
ている間に,更に大きくなって大粒の霰(あられ)や雹(ひょう)になっていきます。大き
さの違う氷の粒や霰や雹は,落下速度も違いますので,互いに衝突を繰り返します。そ
のとき「こすれ合う」ということが起こり,静電気が発生します。衝突したときに,一
方の粒子から電子をたたき出し,電子を失った方が正の電荷に,たたき出された電子を
吸収した方が負の電荷に帯電します。このとき小さな粒(氷晶)が正電荷に,大きな粒(霰
)が負電荷になります。どうして大きな粒の方が負電荷になるのかについては,まだ解明
されていません。大きな粒の方が重たいので,雲の下の方に移動し,小さな粒は上昇気
流によって雲の上の方に移動します。そのため,雲の下の方では負の電荷が,雲の上の
方では正の電荷が集まります。また,雲底に集まった負電荷によって,大地では正電荷
が誘導されます。これを「静電誘導」と言います。
4 雷放電
ある程度電荷が溜まってくると,蓄えきれなくなって放電をします。このとき雲の下部
の負電荷は,上空の正電荷目がけて高速で移動します。これが雲内放電(専門的には雲放
電)です。ところが,暗雲が低く立ちこめているときには,上空の正電荷よりも,大地に
誘導された正電荷の方が近いことになります。そこで,大地目がけて放電をします。こ
れが落雷です。
5 稲妻の通り道
雲の下部に蓄えられた余分の電子は,飛び出そうとします。大地へ向かって走った電子
は,中性の原子に衝突しますが,大きなエネルギーをもっていますので,原子から電子
をはじき出します。電子を失った方は正電荷のイオンになります。正(正イオン)と負(電
子)の両方の電荷があり,このような大気を「プラズマ」と言います。はじき出された電
子も正電荷の大地に向かって走ります。正電荷のあるところには,雲からの次の電子が
やってきやすくなっていますので,次から次へと雲から電子が送り込まれ,プラズマの
道をいくつもの電子が突き進んで行きます。ついに大地に先頭の電子がたどり着く直前
に正の電荷が登り始め(「お迎え放電」),負電荷が並んで通りやすくなった同じ道を正
の電荷が雲まで登りつめます。電子よりも大きなエネルギーをもった正電荷が通過する
と,強烈な閃光を放ちます。正電荷が地表から出発する前の段階で,下へ向かう電子が
通った道も光ってはいますが,正電荷が通ると非常に明るく輝きます。これがまぶしい
くらいに見える稲妻です。
6 雷の落ちる範囲
雷雲の水平方向の広がりは,通常半径10km以下です。放電はこの雷雲のどこで起こって
もおかしくありませんので,雷はこの範囲のどこかに落ちることになりますが,どこに
落ちるかは予測できません。また,出発地点の真下が最も落雷の確率は高いのですが,
ある程度の広がりをもって落ちます。雲から出発した電子は,大地に向かって,空気分
子と衝突しながらも,できるだけ進みやすい道を通ります。複数の電子が先頭の電子の
後に続いてどんどん押し寄せてきます。先頭の電子が直進し,力尽きたら,次の電子が
そこから新しい道を開拓していきます。そのためギザギザな道になります。最終的に,
背の高い物やとがった物に落ちます。雲の底の出発点から地表の到着地点までを直線で
結んだ場合には,鉛直線に対して30°くらいにまでなることがあります。
雷を避けるためには、高いところに逃げ込むことが最良。
ただし高い木などは避けたいもの
傘なども危ないので持たないほうが良いのかも…
広場は危険
逃げる場所がない所での基本姿勢は?
万が一逃げ込む所がない時は、両足を揃えて膝を充分に折って上半身は前かがみになり
、両拇指で耳の穴を塞ぎ鼓膜が爆風で破れるのを予防し、残りの指で頭をかかえ下げ、
雷雨の通過を待つ。地面に腹ばいになるのは、近くの地面への落雷電流による歩幅電圧
・地面と体表面の間の沿面放電による心室細動(心停止)の危険性がある。
嵐の中でこのような姿勢を取るのは、恐怖を伴い現実的には難しい。周りの構造物に逃
げ込む、車の中に入る、山であれば尾根から谷に移動するなどの行動をまず考えるべき
で
逆に、「安全な場所」といえるのは自動車や飛行機、電車、バスなどの乗り物だ。なぜ
なら金属で囲われた物の中に入らずに、電流は金属を伝わって大地に流れこむためであ
る。
野外に出かける時には、事前に天気予報をチェックし、雷雨が予想されていたり、雷注
意報が出ていたら外出しないのが一番の安全策だ。それでも、やむを得ず外出し、近く
で雷鳴が聞こえたら、一刻も早く避雷施設のある建物に避難するとよいだろう。
屋内にも危険が
コンピューターは電源を切るだけでなく、コンセントも抜く
さて、屋外は危険な箇所がいくつもあるが、屋内はどうなのだろうか。屋外よりはるか
に安全ではあるが、100%安全とはいいきれない。家の中でも雷の電流は水道の蛇口や電
気器具などを伝わって流れてくることがあり、こうした物を落雷時に触っていると感電
してやけどをしたり、死亡することもあるためだ。鉄筋コンクリートの建物も直撃がな
いため一応安全ではあるが、壁や柱などから1m以上離れ、低い姿勢をとろう。雷は水道
管や配水管などを伝わってくる可能性もあるため、調理や洗濯などもやめた方が安全で
ある。同じ理由で、パソコンの電源も切るだけでなく、コンセントも抜くとより安全で
ある。
ある
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