成年後見制度、不正行為も沢山ある!

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

 今日は仕事始め、朝の空気もピリッと張り詰めた

大霜の快晴のスタートです。

 高齢になると保証人の大きな壁に阻まれることはたびたびです。

 身辺の自由がままならなくなった時の対策としての

成年後見制度はありがたい対策と同時に

金銭の管理に不安を 覚えることも確かです。

良き友人に騙された話も少なくありません。

 自己管理は自己責任のもと生活のよりどころの管理まで

人任せには不安が募ります。

後見人に騙されたのでは信じる目標まで失ってしまいます。

 だからと言って専門家に依頼しますと、高額請求に頭を痛めることになります。最高

裁判所が発表している「成年後見関係事件の概況」によると、成年後見制度の利用者数

は増加傾向にあり、最新のデータでは成年後見制度を利用している人の数は20万人以上

となっています。

今後も高齢者人口の増加に伴い多くの方が利用する身近な制度とも言えるのではないで

しょうか。

成年後見制度」は認知症などの脳障害および精神障害・知的障害などの理由で、自己

判断能力が難しい方々を、成年後見人を選出して守り、サポートしていくための制度と

して多くの方が利用している、とても素晴らしい制度なのですが、反面、この制度を利

用したトラブルが発生しています。

 下記の資料は少し古いものです。

厚生労働省が発表している2000年から2012年にかけての「成年後見人の職権解任件数の

推移」グラフ、2000年には10件しかなかった職権解任件数が2012年には254件にまで増加

出典:司法統計2018年10月5日時点

司法統計年報に発表されている統計によると、財産の横領や権限の乱用等後見人として

適正に任務を遂行できていないと判断され職権を解任された件数は年々増加傾向。

また、最高裁判所が発表している後見人の不正事件による被害総額は2011年から2015年

までの間に約213億円にものぼっているとされています。

大切な財産を任せる「成年後見人制度」だからこそ、トラブルに発展しないようにしっ

かりと制度のメリットとデメリットを認識しておきましょう。

親族後見人が問題の発端

成年後見人のうち約3割が親族後見人

成年後見人と本人との関係について

出典:最高裁判所2018年10月5日時点

成年後見人が親族の場合の内訳について

出典:最高裁判所2018年10月5日時点

最高裁判所が毎年発表している資料によると、成年後見人となる人のうち、「子」や「

兄弟姉妹」「配偶者」などの親族が成年後見人になるケースは全体の約3割を占めてお

り、親族の中でも最も多いのが「子」となっています。

大切な財産を任せるからこそ、親族に成年後見人になって欲しいと思う一方で、親族後

見人のトラブルは増加の一途をたどっており、日弁連が2011年に実施した司法関係者を

対象とした「後見人等の不祥事案件に関するアンケート調査」によると、成年後見人が

不正に財産を使い込む等して起こった被害の総額は1,000万円から5,000万円未満が41パ

ーセントと最も大きな割合を占めており、トラブルによる被害の大きさが伺えます。

成年後見人トラブルの被害総額について

出典:日本弁護士連合会2018年10月5日時点

被害額も大きく、老後の人生の方向を大きく変えることになりかねない成年後見人をめ

ぐるトラブルですが、一体どのような不正があるのでしょうか?

財産の使い込み

成年後見制度のトラブルで最も多いのが後見人による財産の使い込み

後見人トラブルにつながる人の4人に1人が、自分の財産と後見を任されている本人の

財産との区別をする認識がない人となっています。

成年後見人に就任し、最初はしっかり管理をしていても、だんだんその管理している財

産が自分のもののように思えてきて、管理がずさんになっていくことはままあること。

こうした認識が日常的にあれば、財産を自分のために使ってしまう「使い込み」のケー

スも生じてしまいます。

特に親子関係ですと、もともとその親の金で自分は育てられてきたという経緯もあるだ

けに、親の財産が「別の人のものである」という意識が薄いので、財産を自由にしてし

まおうという意識につながってしまうのだと推測できます。

「争族」問題へと発展

成年後見制度のトラブルが「相続」問題にまで発展することも珍しくない

親のお金であろうと、それを自分のものとして使い込んでしまうのは、成年後見人とし

てやってはいけないことなのはもちろん、親の財産が子に渡るというのは、贈与もしく

は相続ということであり、この場合は本来、“贈与”にあたるお金を勝手に使ってしま

ったということになります。

本来、贈与や相続の対象となる財産となれば、もしほかに相続人がいる場合、後から大

問題になるのも当然。

状況が状況だけに、相続から「争続」問題に発展してしまうことは必至です。

最初から財産目当てで親族後見人となるケースも

財産目当ての後見人に注意

ここまでお話してきた内容は、「後見人になった当初は、財産を自分で使ってしまおう

なんて考えていなかった」という前提のお話でした。

実はもっと悪質なケースがあり、最初から後見する方の財産を目的に、親族が成年後見

人を名乗り出るというケースまで出てきているのが現状です。

本来、本人のために使われるべき費用分を、自分のためにあてがってしまうわけですか

ら、本人は当然、人間らしい生活を送ることができない状況になります。

これは高齢者虐待そのものであり、受け取り方次第では、窃盗や詐欺と判断されます。

後見人等を解任する方法は?

後見人などを解任する方法について

成年後見人は、後見業務に支障がでないよう、基本的に理由なしで解任することはでき

ないようになっています。

しかし、「不正な行為があった場合」「著しい不行跡」「後見の任務に適しない事由」

といった、法で定められた一定の理由があれば解任が可能です。

解任するためには、申立権者である被後見人、被後見人の家族、後見監督人、検察官の

いずれかが、家庭裁判所に対して、成年後見人解任の申立を行う必要があります。

解任申立によって現在の成年後見人が解任された後は、家庭裁判所に新たな後見人を選

んでもらうことになります。

不正行為が認められた場合

「不正な行為があった場合」とは、被後見人の財産を成年後見人となった人間が使い込

むなどの違法な行為が発覚した場合です。

こうした違法なものを含めた不正な行為を後見人が行った場合は解任する理由になりま

す。

著しい不行跡があった場合

「著しい不行跡」とは、喧嘩を繰り返したり、素行が悪いなど、そもそも成年後見人と

して品位に欠け、他人の財産を管理するべき人物ではないと判断されるような場合です

こうした適性の欠如も解任理由となります。

後見の任務に適しない事由

「後見の任務に適しない事由」とは、上記の他に、後見業務を怠り、家庭裁判所の命令

を聞かない、あるいは被後見人との関係が悪化してしまっている、後見人となった人物

が罪を犯して逮捕されたなど、後見人としての業務に支障をきたすとみなされた場合で

す。

成年後見人を第三者に任せるという選択肢もある

成年後見人等と本人の関係別件数のグラフ

出典:最高裁判所2018年10月5日時点

成年後見人を親族に任せることによって起こる「財産の使い込み」や「相続トラブル」

などを避けるためのひとつの方法として挙げられるのが、後見人を弁護士や司法書士

ど第三者に任せるという考え方です。

2000年から始まった成年後見人制度を利用して、後見人を認定する際、親族以外の第三

者に任せる人の割合は70パーセントを占めており、親族が成年後見人になる場合よりも

割合としては多くなっています。

後見人になると、1年ごとに財産の用途などの記録をつけ、裁判所に報告をする義務が

あります。

親族の場合は、この労力のかかる事務作業を無料で行うことになることから「ちょっと

くらいは…」という気分になってしまうのかもしれません。

高齢化に伴い、後見人を任せたい子供や配偶者も高齢化してしまうなかで、親族にこだ

わることがなければ、縁の遠い親戚に後見人をお願いする必要もなくなります。

また、親族間で金銭をめぐるトラブルを避けるためにも、きちんと報酬を払うことで後

見人を請け負ってくれる第三者に任せることは有効な手段ではないでしょうか?

後見制度支援信託とは?

年10億円超の横領もある「成年後見人」の本質 -

https://toyokeizai.net/articles/-/254499三者成年後見人を任せたとしても、100パ

ーセント信頼はできない…と不安を感じる方は、「後見制度支援信託」を利用してみて

はいかがでしょうか?

財産を金融機関等に「信託」という形で預け、家庭裁判所が作成する指示書に基づき、

月々の生活費や介護施設等への支払い等、必要に応じて定期的に一定額が後見人の管理

する預貯金口座に振り込まれる制度である「後見制度支援信託」。

後見人が管理する預貯金口座にあるお金以外は、家庭裁判所の指示書に基づき信託銀行

等が管理することに。

「後見制度支援信託」を利用すれば、財産をしっかりと守れる安心を手にすることがで

きます。

お金は生活を守るために必要であると同時に、トラブルにもつながりかねない存在だか

らこそ、しっかりと制度のいい点・悪い点を把握して、大切な人との関係と自分の財産

を壊

年10億円超の横領もある「成年後見人」の本質 -

https://toyokeizai.net/articles/-/254499さないよう、使いこなしていきましょう。