水産業にも国の協力もほしいもの。

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

 水産庁は漁業問題を国レベルとして動いていただきたいものです。

この分野は閉鎖的で、漁師の神田よりもあり

この分野の改善にはご苦労もあるはず

遠洋漁業も他国の接近もあり難しく水揚げ量の減量にも追い込まれています。

 私たちは、じものの生きた魚を食べてきた世代にとっては

スーパーの切り身にはなじめないものもありますが

そうはいっても今では食べる努力も課してもいます。!     

 漁業にAIが取り入れられると今までは漁師の勘だよりの部分を

AIに切り替えることで補える部分の拡大、漁場管理までも

AIに任せることで、取りたて新鮮なものを

一体管理できると人権削減にもなるのではないのだろうか?

西日本新聞

  水産業の将来像 「構造改革」で成長産業に (6月10日)

 日本の水産業を持続的に発展させるためには、どんな改革が必要なのか。漁業や養殖

業など水産業を成長産業とするための改革案を水産庁がまとめた。

 漁獲量の管理を厳しくして資源の回復を図るとともに、漁業権の規制を緩和して養殖

業などに民間企業の新規参入を促すことなどが柱だ。

 伝統的に漁業者の自主管理が原則だった日本漁業が体系的な資源管理に乗り出し、外

部の風も入れて水産業の基盤を強化する方向性を支持したい。日本の水産業は旧態依然

で閉鎖的といわれてきた。持続的発展に向けた構造改革の第一歩としたい。

 日本の漁業・養殖業の生産量は1984年の1282万トンをピークに、2017年

には430万トンと3分の1に減少している。漁業就業者も約15万3500人と、過

去20年間で4割以上減った。沿岸漁業の所得も230万円台に低迷し、高齢化や後継

者不足も深刻だ。

 生産高の減少は、地球温暖化や、各国の排他的経済水域EEZ)設定による遠洋漁

業の縮小、わが国のEEZに隣接する公海での外国漁船の漁獲増など数々の原因が指摘

されている。だが、大きな要因の一つは、未成魚の捕獲が多いなど日本が適切な水産資

源の管理を怠ってきたことにあるとされる。

 このため、改革案は漁獲規制の強化と養殖業のてこ入れによる生産量増加を目指して

いる。

 まず資源管理の軸足を従来の漁船の大きさや漁具などの制限から、漁獲量そのものの

制限に移す。現在はサンマなど8魚種に限っている漁獲可能量(TAC)制度の対象を

順次拡大し、対象魚は漁船ごとに漁獲枠を割り当て、違反には罰則も導入する。資源状

態を調査する魚介類の種類も大幅に増やす方針だ。

 一方、地元の漁業協同組合へ優先的に付与してきた漁業権を、漁協や既存漁業者が有

効活用している場合は継続するものの、有効活用されていない水域がある場合は、都道

府県知事の判断で新規参入を認める。

 これにより企業などの参入障壁が下がり、養殖業の規模拡大や新技術の導入、生産性

の向上を進めたいとしている。漁協の販売力強化や収支の情報開示などの諸改革も打ち

出した。

 さらに検討を求めたいのは水産予算の効果的な使い方だ。漁港整備など公共工事も必

要だが、資源調査や管理はもとより、魚を生産者から消費者へ届ける流通・加工網の整

備支援、魚食文化の普及や漁村の活性化策にも力を入れてほしい。

 九州は良好な水産資源に恵まれ、漁業が盛んな地域である。改革に知恵を絞り、水産

業の再生に率先して取り組みたい。

=2018/06/10付 西日本新聞朝刊=

東京大学ものづくり経営研究センターの発表資料「水産業の現状と課題」によれば、「

人口 100 万人以上の国において、日本は年間1人当たり魚介類の供給量は56.9 kgで世界

一」となっている。日本の食を支え続けてきた水産業は、国の基幹産業のひとつだ。

にもかかわらず、日本の水産業は長期的な低迷を余儀なくされている。漁業生産量は198

4年の1282 万tをピークに下降の一途を辿り、近年ではピーク時の半分以下にまで落ち込

んでいるという統計がある。

抱えている課題もさまざまだ。例えば、中国および近隣国における水産業の勃興、水産

資源の減少、就業人口の減少と高齢化、魚の市場価格を決める流通機構の変化などがあ

る。農業においても就業者数の減少は問題となっているが、そのスピードは漁業におい

てより一層厳しいそうだ。なお、前述の「水産業の現状と課題」には、以下のような指

摘もあった。

<多くの漁港・漁協を見て回って感じるのは扱う魚の量に比べて人間の数が多過ぎる感

が否めないことである。人が多く関われば人件費がかさむ訳だから、漁に似合った漁協

・魚市場の体制に組み直す必要がある。また漁協の幹部の高齢化も気になるところであ

る。将来的には漁協が水産業のあり方を考える集団に改組して漁業者の思考革新をリー

ドする役割が求められると考える>(前掲資料「水産業の現状と課題」より引用)

つまり、課題が先行する中で現状を変えていくためには、次世代的な組織や経営体制を

確立していく必要があるという指摘ともとれる。水産業イノベーションについては多

様な解がありうるが、ここではAIを使って漁業の自動化および効率化を達成していこう

という取り組みについて紹介していきたい。

漁場を予測するAIシステムの開発始まる

2017年6月、公立はこだて未来大学北海道大学大学院、室蘭工業大学日立製作所は共

同で、AIを採用した「漁業システム」の開発を開始するとした。研究チームが開発しよ

うとしているのは、「漁場・漁獲を予測するシステム」だ。公立はこだて大学の松原仁

教授は、「朝日新聞」の取材に対して、漁業へのAI応用について次のように見通しを述

べている。

<漁業では、人工知能で海流や温度などを分析して漁の適地を推測できれば、効率的に

魚が捕れるようになります。定置網漁でも、適切な量のサケなどが入った網の揚げ時を

知らせるシステムができるでしょう>(電子版2017年2月4日付)

漁業ではこれまで主に、漁師の経験に基づいて漁を行う場所を決めていた。しかし、そ

の成果は実際に網を挙げるまでは知ることができなかった。つまり、現場で働く「漁師

の勘」が、ビジネスの成否を左右していたと言える。研究チームの狙いは、その勘をAI

システムに代替させること。現在、肥料や水撒きなどの量をAIで算出しようという「デ

ータ農業」の動きがあるが、こちらは「データ漁業」の実現に端緒をひらく構想と言え

そうだ。

漁獲量の予測が可能になれば、適切な人員配置や人件費の削減も可能となるだろう。ま

た計画的な仕入れや、販売ルートの確保が前もって可能となるため、流通業者にとって

も恩恵が大きいものとなるはずだ。

国際ルール順守にもAIシステムが活躍….「データ養殖」の兆候も登場

加えて、「漁場・漁獲を予測するシステム」は、マグロなどを誤って捕獲することを避

け、水産資源を保護することにも役立つと期待されている。2017年8月には、日本におけ

る太平洋クロマグロの小型魚の漁獲量が国際合意の上限4007tを突破し、4340.5tに達し

た。このままでは国際的な批判を浴びかねない状況だ。

上限を超えてしまった理由はいくつかあるが、そのひとつに他の魚を狙った定置網にク

ロマグロが混ざるケースが相次いだというものも大きかったそうだ。「漁場・漁獲を予

測するシステム」が発展すれば、いずれ乱獲や漁業を巡る政治的ルールに対する対応も

容易になるかもしれない。なお、「漁場・漁獲を予測するシステム」については、京都

大学、海洋研究開発機構なども青森・八戸港と協力して実験を開始している。

一方でNTTドコモIBMは、マグロ養殖事業をてがける双日ツナファーム鷹島と協力。AI

やIoT分析プラットフォームを使用した「データ養殖」の実証実験を開始している。これ

は、マグロの成長度や運動量を把握し、飼料コストの低減、給餌タイミングの合理化、

飼育期間の短縮など「水産業の高度化」を実現しようという試みだ。採用されているの

はドコモのAI「Corevo」だ。これはIBMのIoT分析プラットフォームから、養殖場、気象

・海流、生産状況などのデータを受け取り、「空間状態」などを推定しフィードバック

する役割を果たす。

ここで紹介した「データ漁業」や「データ養殖」の実験が、どこまで実用化されていく

かはまだまだ未知数だ。とはいえ、経営の合理化や効率化、また自動化は、水産業にと

って急務となっている。どのようなアイデアが実践&実用化されていくか見守っていきた

い。