【イタイイタイ病」の認定から五十年。

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

 高度成長による負の遺産ともいわれています

公害病の一つに【痛いい大病】この名のようにまさに、劇的な痛みともいわれています

このような金属[cd]の廃棄により犠牲者が多くの苦しみを味わうこととなった。

 私たちは、このような犠牲者のもとに今の生活が営まれていることに

感謝しながら、心の奥に留め置きたいものです。

富山県神通川流域の農村に,頻回(ひんかい)経産婦に多く見

られた骨軟化症様の病気。わずかな刺激で病的骨折が起こり

,日夜苦痛を訴える。カド

ミウムの慢性中毒による腎障害から骨軟化症をきたし,これ

に妊娠,授乳,老化,内分

泌の変調などによるカルシウム不足が加わって起こると考え

られる。1955年,河野稔ら

カドミウム原因説を学会に報告,1968年,厚生省は,三井

金属鉱業神岡鉱業所(現・

神岡鉱業)の排水中にカドミウムが含まれ,これによって汚

染された農産物,魚類,飲

用水を摂取したことを原因とする公害病との見解を発表。イ

タイイタイ病の認定患者は2

011年末現在で196人,そのうち現存患者は4人。

切腹より痛い激痛の末に

「こんな凄まじい死に方があるのか、と恐ろしくなりました」

外科医で、特別養護老人ホーム芦花ホーム常勤医師の石飛幸三氏は、目の前でのた打ち

回る患者を見て、こう思ったという。

救急車で運ばれてきたのは60代の男性だった。いい大人が涙を流して「ギャーーー」と

叫びながら、ベッドの上に寝ていられないほど悶絶している。救急隊員も、いったいこ

の患者に何が起きているのか、判断がつかなかったという。

病院へ到着すると、今度は嘔吐を繰り返し、血の混じった便もたれ流していた。腹部の

検査をしている間、ついに声を上げることもできなくなり、顔面蒼白、手足が冷たくな

っていく。呼吸と脈拍が急激に速まって患者はショック状態に陥り、そのまま意識が戻

ることなく、帰らぬ人となった。

「急性上腸間膜動脈閉塞症という病気でした。小腸と大腸の一部に酸素や栄養を送る動

脈が突然詰まって、我をも失うほどの強烈な痛みが生じる病気です。刃物で腹を切り裂

かれたくらいは何ともないと思えるほどに痛むのです。一分一秒を争って治療を行わな

ければ急速に症状が悪化し、死亡してしまう。

仮に命が助かっても、血流が途絶えたことで腸が壊死して腐っていくため、腸の大半を

切除しなくてはいけない。その後は一生、点滴による栄養補給が必要になってしまうん

です。あんな死に方だけはしたくないと思いましたね」

もう命が助からないなら、せめて安らかな最期を迎えたい?誰しもがそう思うだろう。し

かし、「死」というものほど、理想と現実が大きくかけ離れるものはないという。数々

の死に立ち会ってきた医師たちでさえ、こう口を揃える。「大きな声では言えないが、

自分の患者さんの最期を見て、死ぬのが心底怖くなることは少なくない」と。理想的な

最期を迎えるのは、それほど難しいということなのか。

     読売より。

社説 イタイイタイ病認定50年 重い知見、世界で教訓に (2018/05/09)

 日本の工業化や戦後の高度成長などの過程で環境が破壊され、多くの人の健康が損な

われた。その教訓を忘れてはならない。

 富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病公害病と認定されてからきのうで5

0年を迎えた。水俣病など四大公害病の中で、政府が認定した初のケースだった。

 イタイイタイ病は、亜鉛鉱山から流出した重金属のカドミウム生活用水などを通じ

て人体に蓄積し、発症した。骨がもろくなって簡単に折れてしまい、患者は「痛い、痛

い」と泣き叫んだ。

 1910年代からあったが「風土病」などと見なされ、放置された。地元医師が61

年、カドミウムが原因だと指摘したが、鉱山を運営する三井金属鉱業は否定し続け、国

の動きも鈍かった。国が公害病と認めたのは、住民らが集団訴訟に踏み切った後の68

年だった。

 認定患者は200人で、うち195人は亡くなった。前段階とされる要観察者も数少

なくなった。国や県は、患者らのケアに万全を期さねばならない。

 鉱山に残るカドミウムの監視も続ける必要がある。現在、川や水田から検出されるカ

ドミウムの数値は自然界レベルに下がったが、環境を保つには新たな流出防止が前提だ

 住民は三井金属と協定を結び、毎年、立ち入り調査をしている。昨年には、豪雨時で

カドミウムが流出しないよう、対策を申し入れた。

 得られた知見を国際的に活用する工夫もいっそう求められる。中国や東南アジアでは

カドミウムによる川や米の汚染が広がっているためだ。

 イタイイタイ病の病理研究はいまも続く。富山大はこの春、患者約100人の臓器の

検体などを収蔵する資料室を整備した。解剖資料の分析によって、腎臓障害の発症メカ

ニズムの解明も進みつつある。

 6年前に設立された富山県イタイイタイ病資料館は、東南アジアなど海外からの来

訪者のために多言語による館内説明に取り組んでいる。

 公害病をめぐっては、国際的な水銀規制を定めた「水俣条約」が発効したことも記憶

に新しい。イタイイタイ病は決して「過去の問題」ではない。負の教訓を、国境を超え

て共有すべきだ。