総理が語る公務員に対する訓示。

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

 国家公務員の研修で述べた阿部総理の訓示です。

皆が総理のおっしゃる公務員であるならば

公文書の噴出事件であったり、改ざん問題など

起きなかったはずです。

 政権に対し、尊宅なく公平な文書が行きかう、透明性ある公文書の作成もできていた

のではと佐川長官がお気の毒でなりません。

 公務員は公正かつ、疑念文書には[no」と言える胸を張って仕事ができる

人材に研鑽を積んでいただきたいものです。

 期待値は無限大です。

正当性ある公務であってほしいものです。

     アサヒコムより。

「皆さんは評論家ではない」安倍晋三首相の訓示全文 国家公務員合同初任研修 (2018

年4月4日 12:29)

 安倍晋三首相は4日午前、東京都内で開かれた国家公務員合同初任研修の開講式で訓

示した。訓示の全文は次の通り。

     ◇

 皆さん、おはようございます。内閣総理大臣安倍晋三です。国家国民のため、心を

尽くし、身を尽くす。崇高な志をもって、国家公務員の道を歩み出す皆さんを、内閣総

理大臣として、心から歓迎したいと思います。

 少々緊張した面持ちで、意欲と希望に満ちあふれる皆さんの、真剣なまなざしを見る

と、日本の将来は、きっと良くなる。そう思います。

 本年は、明治維新から150年となります。技術優位の欧米諸国が迫る「国難」とも

いうべき危機の中で、明治という新しい時代が育てた数多の人材が、わが国が急速に近

代化を遂げる原動力となりました。

 今また、日本は、少子高齢化という国難に直面しています。これほどまでの急速な少

高齢化は、これまでにない事態であります。しかし、今一度、あらゆる人が存分に能

力を発揮すれば、必ずこの壁も、乗り越えることができる。

 安倍内閣では、高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害を抱える人も、誰もが輝

く「1億総活躍社会」を創り、この困難を突破していく決意であります。

 若い感性、柔軟性、突破力。皆さんに、大いに期待しています。明治時代、若い多く

の官吏が奮闘し、近代国家、日本の基礎を作り上げました。先輩たちに負けないくらい

の気概を持って、これからの仕事に目いっぱい取り組んでください。

 明治の先人、民俗学を確立した柳田國男は、また、行政官でもありました。国家公務

員としての20年、農業改革に粉骨砕身しました。

 幼い頃に自ら飢餓を経験し、また、当時行われていた、「間引き」という現実を知り

、衝撃を受けます。

 「何ゆえに農民は貧なりや。日本を幸福にするためには、急いでこの問題を解決せね

ばならぬ」

 柳田は、農商務省へ進む決意をします。25歳、皆さんと同じくらいの年齢です。入

省してすぐ、農村をつぶさに回りはじめます。

 当時の農業政策の考え方は、少数地主と多数の小作農を前提に、技術を普及して、米

の生産量を増やすというものでした。しかし、農村の実情を知る柳田は、作り手不在の

農業政策に異議を唱えます。

 自ら努力し、生産性を高める農家こそが農業の主役である。そのためには、小作農が

経済的に自立できる土地を持つことができる構造改革こそが必要な政策だ。

 こうした考えは、当時としては、省内にも、学者にも、世間にも受け入れられません

でした。しかし、現場を知る柳田が、たじろぐことはなかった。改革は、柳田やその後

に続く先輩たちの努力によって、徐々に、実を結んでいくことになります。

 皆さん、現場に出て、現場の声に、じっくりと耳を傾けてください。頑張る人々の思

いに接して、国民本位の政策を磨き上げてください。霞が関の中だけで作られた、頭で

っかちの理論が、世の中に受け入れられることはありません。

 もちろん、皆さんがこれまで培ってきた学問や理論体系は重要です。大いに活かさな

ければならない。しかし、それを活かすためにも、現場を知らなければなりません。

 額に汗をし、明日への努力を重ねる人が、未来に希望を持てる社会を創る。そのため

の政策を創ることが、皆さんに、求められています。現場にあって、自分の目で見て、

自分の頭で考え抜き、血の通った政策を作り上げてください。

 柳田は、農作物の輸入を制限して、農家を保護するという政策にもくみしませんでし

た。貧しい国民が多かった時代、主食のコメの価格が上がれば、国民生活は困窮を極め

るからです。既にこの頃から、日本の農業も、海外と渡り合っていかなければ、産業と

して立ち遅れてしまうという危機感を持っていました。

 柳田は、弥縫(びほう)策ではない、真の問題解決を追求しました。目の前の農家の

窮状だけに目をとらわれていたのでは、痛みを伴うような改革にまで、踏み込むことは

できなかったのではないでしょうか。

 皆さん、どうか、大局的視野を持ってください。全体を俯瞰し、物事の本質に迫って

ほしいと思います。組織の殻に閉じこもって、自分の思考に枠をはめるような、縦割り

の発想に陥らない。自分の省庁だけを見て、政策課題を解決できるような時代ではあり

ません。この場にいる仲間との絆を大切に、オールジャパンで政策を考えてください。

 皆さんは、数年もすれば、部下ができ、やがては、チームを率いるリーダーとなり、

組織を率いていく立場になります。人を動かすためには、人間力が必要です。

 安倍内閣は、働き方改革を進めています。ワーク・ライフ・バランスのもとで、家族

や友人との時間も大切にしてください。一人の人間として幅広い教養を身につけ、自己

研鑽(けんさん)に努めてください。幹部候補生たる皆さんには、歴史を学び、グロー

バルな視野を養っていただきたいと思います。

 行政の現場にあって、未来を見据えた政策を立案する。しかし、これだけでは、目的

を達成することはできません。何よりも大切なこと、それは「実行」であります。

 皆さんは、評論家ではありません。紙の上での提言、報告書の類を創ることだけに満

足してはなりません。むしろ、ここからがスタートです。自ら汗をかいて周りを説得し

、実現にこぎつける。行政のプロフェッショナルとして、政策をやり抜くことが求めら

れます。

 改革は、インパクトが大きいものであればあるほど、容易に実現しません。賛同して

くれる人がおらず、孤独かもしれません。批判にさらされ、くじけそうになってしまう

こともあるでしょう。それでも、どうか、強い精神力を持って、歯を食いしばり、実現

に向けて奔走してもらいたいと思います。

 5年前、私が2度目の内閣総理大臣となった頃、「人口が減少する社会ではもう成長

なんかできない」そういった悲観論があふれていました。「もう成長なんかしなくたっ

ていいんだ」そういう意見すらあった。最大の問題は、このあきらめでもあった。こう

思います。

 しかしその後、私たちは三本の矢の政策で、挑戦をし、名目GDPは11%以上成長

し、昨年GDPは過去最高を記録しました。生産年齢が450万人減少する中でも、雇

用は250万人増えている。

 この間、経済再生、外交・安全保障の立て直しや、教育再生社会保障改革、農業改

革、電力自由化。さまざまな分野での改革を、信念を持って、進めてきた結果でありま

す。そうした過程では、批判のない改革は、何一つありませんでした。

 たとえば、平和安全法制。大きな批判にさらされました。しかし、この法律が今なか

ったら、緊迫する北朝鮮情勢に、しっかり対応することはできなかったと思います。お

互いに助け合うことのできる同盟は、間違いなくその絆を強くします。

 未来は、不変のものではありません。私たちの、皆さんの手で創り上げていくもので

あります。

 まさに未来は、今私たちが何をするかにかかっている。これから皆さんが何をするか

にかかっているんです。

 最後に、この言葉で締めくくりたいと思います。

 「心は小ならんことを欲し、胆は大ならんことを欲す」

 心は細心に、そして、謙虚に。肝っ玉は、大胆に。

 国家公務員の仕事は、国の骨格を作る仕事です。仕事の結果は国民全てに影響が及び

ます。わが国を代表して、各国と交渉を重ねることもある。生易しいものではありませ

ん。

 だからこそ、これから国家公務員として歩む人生、全体を見渡し、あらゆることに思

いを巡らし、国民の信頼を得、負託に応えるべく、高い倫理観の下、細心の心持ちで、

仕事に臨んでほしい。

 同時に、行政のプロとして、日本の未来に責任を持つ。高い誇りを持って、わが国の

将来を大胆に構想し、批判を恐れず、大きく前に踏み出し、果敢に挑戦してほしい。

 皆さん、お互いに力を合わせて新たな国創りに、全力を尽くしていこうではありませ

んか。 総理は国務大臣ではなく教育者のほうがてきにんではないのでしょうか?