家族さえ持てない養護施設の児童たち。

   ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

 今日は中秋の名月、残念ですが当地は雨の中。

 誕生はまさに運命のスタートそのもの…

生まれいずる悩みは果てしなく遠いい… …。親を選ぶこともできず、わが生い立ちの環境とすでに戦うことを

求められている養護施設の子供たち

もはや家族の存在さえ、知らない環境にある子供たちが救われる世の中であってほしいと願わずにはいられません。

 養護施設の卒園は、ふつう18歳。

 18歳からたちまち、独立と、労働がたちまちせをうべき環境となり

 幼いころから、親のネグレクト、親との性交渉

家族のある者には考えられない環境の中で育った子供の

自己肯定感が育つこと自体難しい現実も職員の前に立ちはだかる現実。

 養護施設がこれらの子供たちの精神的環境により添えるだけの

職員配分も乏しく、職員のボランティアだよりに期待するしかない現実

まともな家庭生活を体験することなく

大人になると、親からのお金の無新までないわけではないと言う…

就職しても、一つの職場にとどまる子は少ない。

それは幼いころの人間関係が社会人となっても影響し続けているとも

言われてもいます。

 人通しが互いに思いやれる社会こそが幸せの一歩。

 親にお金を出してもらって、自動車の購入、そして免許の取得

養護施設の卒園者は、これらの経済負担まで我が身にかかる。

クレジット会社の負担金が増え、破綻を余儀なくされるケース。

病気になどなろうものなら、事故破綻を招き打開策までわからないのが現実。

児童養護施設退所後の子どもたち

一人で生きる難しさ

東京都小平市児童養護施設・二葉むさしが丘学園(社会福祉法人二葉保育園)の自立支援指導員の鈴木章浩さん(43)。職業体験の機会を設けたり相談にのるなど、進学、就職の援助が主な仕事です。同園では昨春は4人、この春は1人の子どもが大学や短大、専門学校に進学します。

児童養護施設に子どもがいられるのは原則18歳まで(生活が不安定などの理由で必要な場合は20歳まで)。施設を卒所した後は、一人で自立して生きてゆかなければなりません。

将来に触れる

「子どもの将来について日常的に触れるようにしています。子どもたちは高校進学時から準備を始めます。進学希望の子は、部活動や受験勉強と両立させつつアルバイトをし、学費や生活費にあてる蓄えをつくります」

大学進学する事例では4年間で、入学金と授業料430万円、家賃や食費などの生活費633万円、計1063万円が必要です。返済義務のない奨学金を最大限活用し、都の入学支度金7万7000円と貯金を合わせて823万円。差額の240万円を、月5万円のアルバイトを4年間続けてまかないます。(東京都社会福祉協議会児童部会リービングケア委員会作成『生い立ちの整理』から)

「周りの学生がゆとりのある学生生活を送る中、初心を曲げることなく学業とアルバイトを両立させることは楽ではありません。また、健康を害してアルバイトができなくなれば、生活に影響が出ることになります」

自信をもって

鈴木さんは言葉を続けます。

「施設を巣立つ子どもたちに、社会人としての生活を教えることは大切です。でも一番大切なのは、自分に自信をもち、自分で未来を切り開く力をもたせること。これが難しいです」

「施設の子どもたちは、虐待されたり親と切り離されたことに負い目を感じ、自分を大切に思えず、挑戦する意欲や自信がなかなか持てない。社会のルールや常識を家庭で教えられることなく、放置されてきた子もいます。自分の気持ちをうまく伝えられず、人間関係でつまずいてしまう子も多い」と話します。

指導員の仕事を続けて16年。卒所した子どもがいつでも連絡がとれるように、携帯電話とメールアドレスは変えていません。

「クレジットカードで借金を重ねて『食べ物が買えない』と電話してきた子、緊急入院のための保証人を頼んできた子も・・・。連絡がつく子は大丈夫。『つながっていれば、なんとかなる。助けられる』と思っています」

自分を肯定できない

自立支援ホームは、なんらかの理由で家庭にいられなくなり働かざるを得なくなった青少年(原則15~20歳)に、食事や住まいを提供し自立を助ける施設です。

全国に80施設あり、運営主体はNPОや社会福祉法人などさまざまです。

道筋さまざま

東京都内の自立支援ホーム・まつぼっくり(社会福祉法人松葉の園)の入居者は現在、17歳から19歳までの5人。職員は、常勤指導員2人、非常勤指導員1人です。

入居を希望する子どもたちは△働くこと △金銭の管理はホームの指示に従う △ホームに月・寮費3万円を納め、5万円以上の自立積み立て貯金を蓄える △共同生活者と他人に迷惑をかけない―のルールを確認した上、ホーム長と契約します。

児童相談所を経て『措置』されてきた子、警察に保護された子、中学卒業後に就職のため児童養護施設を退所した子―と、入居までの道筋はさまざまです。

ホーム長の久野亨さん(31)は話します。

「親にネグレクト(育児放棄)されたり、暴力を受け続けたりしたあげく、家出してきた子どもが多い。「お前なんかいなくていい」「産まなければよかった」と言われ続け、深く傷ついてきた子もいる」

子どもたちは、求人雑誌やインターネットの求人情報で仕事を探します。就職難といわれる中、正規雇用の仕事はなく、飲食店やガソリンスタンドなどのアルバイトです。仕事をしつつ定時制高校に通う子、運転免許取得のため教習所に通う子もいます。

転々職変える

久野さんは、子どもたちが働き続ける難しさを指摘します。

「『働き続ける』ということが、難しい子が多い。なかには2週間続かずに仕事を辞めてしまう子もいる。自分の気持ちを周りの人にきちんと伝えられない子、言葉遣いの幼い子、遅刻を繰り返す子もいる」

その原因を次のように指摘します。

「親から暴力を受けたことで人を信じられず、自分を肯定し大切に思うことができない。家庭で社会のルールやしつけを教えてもらえず、放置されてきた子も多い」

まつぼっくりにいるのは平均1年。子どもたちはこの間に、働く場所をみつけ、独りで生きる力を身につけなければなりません。

久野さんは言います。

「これまでホームを9人の子どもが巣立ったが、卒業後と同じ仕事を続けているのは1人だけ。あとは転々と職を変えている。しかもアルバイトで、国民健康保険も年金もない。20代は何とかなるだろうが、その後はどうなるのか」

生活困難に相談体制

児童養護施設や自立支援ホーム、里親制度を巣立った子どもたちに、一歩踏み込んだ支援を」と、東京都小金井市内で昨年4月から、新たな支援の場がスタートしています。アフターケア相談所・「ゆずりは」です。

弁護士が支援

22歳の女性は就労のため、18歳で児童養護施設を退所しました。20歳の時、クレジットカードを持ったことをきっかけにエステ等の勧誘を受け、多額のローンを組むことに。借り入れが400万円を超え、「迷惑をかけられない」と誰にも相談できないまま、高金利のローンの支払いを強いられていました。養護施設出身者を介しての「ゆずりは」への相談で弁護士と面談。自己破産手続きをすることができました。

21歳の男性は「ゆずりは」の紹介で、ハローワークの緊急人材育成支援事業の訓練を受講中です。訓練・生活支援給付金(月10万円)と清掃のアルバイト代でアパートを借りての一人暮らし。今年2月から建築関係の仕事に就きます。

両親との折り合いが悪く、高校中退後に家出。万引きで少年鑑別所に収容されたり、きちんと仕事に出ることができずに自立支援ホームを中途退所せざるを得なくなった経験があります。「相談に乗ってもらえる場があって、よかった。いまはいい意味で『仕事の責任感をきちんと果たす』プレッシャーを感じている」と話します。

就労や住居も

ゆずりは」は、自立支援ホーム・あすなろ荘を運営する社会福祉法人子供の家が運営しています。

設立の背景には、児童養護施設の職員配置の最低基準(子ども6人に対し職員1人)が1979年以降引きあげられないままという、社会的擁護を担う施設の厳しい体制問題があります。相談所長の高橋亜美さん(38)は「ゆずりは」開設前まで、あるなろ荘を退所した子どもを支援する仕事の担当でした。

「限られた職員数のもと、児童養護施設や自立支援ホームが、子どもたちの施設での生活を支えつつ退所者の支援をするには限界があります」とのべます。

退所者には家庭からの支援がほとんどないだけでなく、学校で十分学んでこれなかった、ネグレクト(育児放棄)によるコミュニケーション能力不足など、生い立ちから起因したハンディがあります。

「職場でしかられたことが虐待を受けた記憶を呼び起こし働けなくなるなど、わずかなつまずきがきっかけとなり、失業し暮らしが破たんしてしまう事例が後を絶ちません」

支援内容は、生活、住居、スキルアップ、就労が柱。公的機関、弁護士や精神科医など専門家と連携し、貸付金制度の活用や生活保護などの具体的支援を行います。安価な住まいの提供とともに、保証人の確保や入・退去時のトラブル対応も。高校認定資格取得学習会やパソコン教室も開いています。

高橋さんは「退所者支援で最も必要なのは、退所者が困難な状況に陥った時に相談できる場所と人があることです」と強調します。

(おわり)

児童養護施設」の誤解解きたい20歳男性の覚悟 -

https://toyokeizai.net/articles/-/301519