通電社員過労死、母の手記。

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのみこばあちゃんです。

 電通による過労死は何度か言われてきました。

いつものように例外なく改善目標が掲げられます。

でも内容は変わってはいません。

人員の確保とオーバーワークは旧態依然として何ら変わってはいません。

娘さんを過労死で亡くされたお母さんの手記は述べられています。

 体が悲鳴を上げながらなおも働き続け、精神もやみ

事故コントロールもままならなくなって自殺した娘の無念を訴えておられます。

でも会社の責任能力はたったの50万円です。

労災認定は確かに勝ち取りは致しました。

でもこのように何度となく繰り返される労働条件

上司もゆとりのない環境かもしれないです。

でもこれに従っていたら体が悲鳴を上げる人が

異常かのようにランクされることは残念です。

私たちが働いていたころは、労組が活発に機能し

改善要求はしっかりできてもいましたしそれなりの働き甲斐が

あったのも事実です。

総理の働き方改革の大前提は

ワーキング環境を整えることではないのでしょうか。

労働者が安定的に働ける条件を整えることも

企業のなすべきスタンスです。

このような声は聞こえてはこないことが残念です。

まだまだブラック企業も多くあります。

いろいろな問題が提言されこれを市民レベルの問題として

大きな話題としていけないものかと思います。

高橋まつりさんの母・幸美さんの手記全文

手記    高橋幸美

2017年12月25日

娘の「まつり」がいない、2度目のクリスマスです。

毎朝目覚める時に、まつりが生きている世界に戻っているのではないかと、いまだに淡い期待を

抱き続けています。目の前にあるのは元気なまつりの姿ではなく、まつりが眠る赤い箱です。

労災認定されてからもつらく苦しく、まつりを思わないときはひと時もありません。まつりは

私の生きる理由であり、まつりを語るとき、その姿はあらゆるところでよみがえり生き続けま

す。

ちいさい頃から人生を自分の選択で懸命に生きたまつり。最後も最善の選択をしてくれると信じ

切っていました。まつりの尊厳を守れるのは私しかいない。まつりの後を追うことは許されな

い。必死の2年間でした。

電通は1991年に社員が亡くなられた後に、「不幸な出来事が二度と起こらないよう努力しま

す」と誓いました。しかしその後も電通は、改革を行うことなく法律違反やパワハラを続けて

、何人もの犠牲者を出しています。そして、まつりも長時間労働パワハラとセクハラの犠牲

となりました。まつりの死によって、不夜城といわれた電通のあかりは22時に消えることに

なり、会社は「労働環境の改革を2年でやり遂げる」と再び宣言しました。

立派な改革案が提案されていますが、いまだに電通社員は「自分たちは厳しい上下関係や深夜勤

務を乗り越えて成長してきた」という成功体験にとらわれていて、意識改革は遠く難しいと思

います。会社も社員も非常識な文化や成功体験を捨て、改革への意識を共有して、本気で実行

に向かわなければ、また不幸な出来事を繰り返すことになります。

今年10月、電通労働基準法違反により、刑事裁判で罰金50万円の有罪判決を受けました。

人のいのちがうしなわれているのに責任があまりにも軽すぎます。判決時に労基法違反による

過失致死として、罰則を強化してほしいと訴えました。

労基法違反により過労死を起こした会社名を公表し、罰則を強化するように法律の改定が必要だ

と思います。会社責任だけでなく、裁量が与えられてない部下を管理する上司の責任も重大で

す。労働時間の過少申告を指示していたまつりの上司が、刑事責任に関して不起訴処分になっ

たことは大変無念です。パワハラも、人のいのちを奪います。パワハラやセクハラは絶対に許

されるべきことではありません。

安倍首相が働き方改革を必ず成し遂げ、平日の残業の上限規制を1か月100時間未満にすると

約束されましたが、過労死ラインを超える長時間労働を認めることになり、たいへん疑問が残

ります。ヨーロッパ諸国のように、11時間の勤務間隔をあける勤務間インターバルの義務付

けこそが必要だと思います。労働時間規制の例外の拡大は絶対にあってはなりません。眠らな

いで生きられる人間などこの世にいるはずないからです。

電通の労働改善も、政府の働き方改革も、どうしてまつりの生きていた時にできなかったのでし

ょう。もしこれらが実現していたら、まつりは生きて自分の夢に向かって社会に貢献していた

でしょう。まつりの苦しみは消えることはなく、どんなことをしてもまつりは生きて戻ってく

ることはありません。大切なまつりを失った悲しみと苦しみは一生消えることはありません。

私たち親子の名前がこんな形で日本に知れ渡ることは私たちの望みではありませんでした。普

通の生活をして普通に幸せになりたかったのです。

私たちのような不幸な親子を増やさないために経営者や従業員、すべての人の意識を変えて、日

本の社会全体で働く人の命と健康を守ってほしいと思います。

2017年12月25日 02時02分

Copyright (c) The Yomiuri Shimbun

     読売記事より。