人生負の連鎖はどこにだってある。

      ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのミコばあちゃんです。

 我が従妹の養子「婿殿」も今から振り返ると

アスペルガーではなかろうかと妄想してしまう。

 従妹は4人兄弟の末っ子で、家の事業を継ぐことにあまり前向きではなかったけれど

良心が気づいたものをあきらめることにも躊躇を感じ

その当時は私学の高校の教員として勤務していたが

母親は私学に努めるくらいならやめてほしいといつも口癖のように言っていた。

 お寺の仲介でお見合いするも、気に入らなかったけれど暮らすうちに

お互いに気づけるものもあるのではといった短絡的な思いで結婚し

家業を全面的に支援してきた。

男の子が2歳足らずの時、いとこが少し目を離して事務をしているとき

その子が一人でお宮に出かけ、柵のない池にはまり水死した。

それからの家族は本当に悲しみの中に打ちひしがれていたが

お腹に小さな命が誕生し、その子が女の子とあって

誰もがその子の誕生を心待ちにしていたが死産での誕生にまた悲しみに襲われた。

従妹の父親が会社の切り盛りをしていたが、「婿殿」は仕事に前向きではなく

お金を持ち出しては船を買ったり遊び放題で

いくら言っても聞き入れることもなく

父親の心労もピークとなっていたのではと思う。

我が家の夕食時のテーブルにいつも浮かぬ顔で座っていた。

当時は勤めもしていたので早く後片付けもしたかったが

叔父の思いのままに過ごすことで気が休まればと

そっとしていた。

叔父の癌の末期を知らされ驚いたがそのまま叔父の言葉だけに寄り添うことしかできなかった。

叔父はその年の暮れ、わずかな入院ののち旅だった。

養子を返すこともできなかったのであろう。

それからの経営は急転直下のごとく倒産に転げ込んでいった。

もうそうなると人は後ろ向きとなり誰の支援も受けることができず

兄弟とミコばあちゃんが母親がどこにも行きたくないとのことなので

我が家に来てもらい、いとこ夫婦は不渡りを出す前に夜逃げをした。

 兄弟が従妹に夫婦別れすることで借金の返済は引き受けることにしたが

子供が二人いて「婿殿」を一人にすると野宿もできず死んでしまうのではと兄弟の申し入れに逆

らって働かない「婿殿」を介護の仕事で支えた。

「婿殿」は父の2年後に病死で若い命を天国へと旅立った。

 従妹は今が一番幸せと語る。

そんな従妹もリンパがんと闘っている。

暮らしは大変ではあるが愚痴ひとつ言わずに頑張りぬいた従妹の話し相手くらいに慣れたならと

思っています。

 不条理の連鎖は足元にもどこにだって転んでいる。

悔やみ悲しんでいても明日は来てしまう。

生ある限り太陽に堂々と向き合っていたいと思っています。

     朝日記事より。

お母さんの手を忘れないで 握り返した息子 なぜ奪った

ちょうど10年前の12月10日午後10時20分、自宅の電話が鳴った。

息子の護さん(当時51)が勤めていた書店の社長の家族からだった。「護さんが事務所で襲わ

れた。すぐに病院に来てほしい」

「窓」記事一覧〉

 磯島れい子さん(79)=神奈川県綾瀬市=は、急いで夫と病院に向かった。

幼いころから、息子は本が好きだった。出かけるときも必ず本を携えた。「本に関わる仕事がし

たい」。夢をかなえ、東京・代々木の書店の店長になった。

病院につくと、息子は管につながれ、ベッドに横たわっていた。何度、名前を呼んでも、返事は

ない。

警察の話だと、鈍器のようなもので頭を殴られたという。事務所内には争った跡があり、売上金

約10万円が奪われていた。話し好きで、仕事の合間にも親を気遣う電話をくれていた息子。

どれほど怖かったか。

13日間、一度も意識は戻らなかった。

「護、お母さんの手を忘れないで」。最期の瞬間、手を握り、呼びかけた。すると、爪の跡がつ

くほど、強く握り返してきた。

2日後、葬儀の準備を終えて帰宅した直後に、夫の良美さん(当時76)が風呂場で倒れた。息

子に先立たれた心労か。心筋梗塞(こうそく)だった。夫までも失った。

犯人はいまも捕まっていない。どこかで見られているのではないか。そんな恐怖で、ずっと外出

もままならなかった。

でも、昨年の12月、情報提供を呼びかける警察のビラ配りに、初めて参加した。未解決のまま

、10年目を迎えたくない――。

現場にも足を運んだ。事務所があったビルの階段を前にしたとき、息子の足音が聞こえた気がし

た。鳥肌がたち、涙がこぼれた。

今夏、外出先で転び、左足を骨折してしまった。3カ月入院し、家を空けた。

病院のベッドで、夢をみた。「どこに行ったの? 探しに来たよ」。息子が、語りかけてきた。

やっぱり、家を空けちゃいけないんだ。居間の本棚には、息子が愛読した太宰治川端康成の作

品がいまも並ぶ。仏壇に新しいお水をあげて、好きだったコスモスも飾らないと。

なにより、犯人につながる情報が、いつ寄せられるかわからない。

息子の手の感触は、いまもはっきりと覚えている。早く犯人の顔を見たい。そして直接聞きたい

。大切な息子を、なぜ奪ったのか。(力丸祥子)

磯島護さんが亡くなった事件は、警視庁が強盗殺人容疑で捜査を継続している。薄緑色の目出し

帽と灰色のジャンパーを着て現場から逃走する男が目撃されているが、その後、有力な手がか

りは見つかっていない。情報の提供は、原宿署特別捜査本部(03・3408・0110)へ。