全盲の弁護士夫婦、一点の曇りもないほどの青空のもとの幸せ感は、誰にも届かないほどの価値がある。

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのミコばあちゃんです。

 一般社会にあって、全盲夫婦といえばどのようにユメージされるでしょう。

「わあー大変、何にもできないのに生活できるの」といったお声が聞こえてきそうですね。

でも普通に近い暮らし、何より幸せ感が普通以上に漢字、工夫次第で

家族仲良く楽しい暮らしがそこにはあります

 お互い不自由さは、阿吽の呼吸で理解もでき、思いやりとて

御人の何倍もあるのではないでしょうか。

き。

不自由さが多ければその何倍もの幸福感が得られるのではと想像します。

    東洋経済より。

2人で越えた難関の司法試験、結婚、妊娠・出産 全盲の夫婦が築く「見えなくても」明るい家庭

「結婚したら人生劇変!〇〇の妻たち」(TBSテレビ系)。人気番組「プロ野球戦力外通告」「

プロ野球選手の妻たち」を手掛けるスタッフが、夫を支える妻の姿を通して、夫婦の愛と葛藤に

迫るドキュメンタリーだ。

?

常時30件のクライアントを抱える売れっ子弁護士と結婚した大胡田(おおごだ) 亜矢子さん(42

)。女性なら誰しもが憧れる人気職業の妻だが、実は亜矢子さんには、体にハンディがある。視

力に障害があり目が見えないのだ。早産で生まれてきた際、未熟児網膜症を患い、生後まもな

くして視力を失った。

そんな亜矢子さんの夫である誠さん(40)。実は彼も視力を失い、目が見えない。そう、2人は

共に全盲の夫婦なのだ。

驚きの工夫で家事も育児もパーフェクト

そう聞くと、しんみりした話かと思いきや、そんなことはない。大胡田家の中は常にきれいに片

付けられ、亜矢子さんの手料理を子どもたちが頬張る。包丁さばきも見事。それもそのはず、

実は生まれたときから目が見えない亜矢子さんには20年以上の料理のキャリアがあり、18歳で

一人暮らしを始めたときから自炊をしてきた。

お米を炊くなんてお手の物。なんと危険度の高い揚げ物も自分で調理する。火がついたか、手を

かざして温度確認。揚がったどうかの確認は

「音です音。(最初は)ピチピチって凄く高い音がしてるんだけど、火が通ってくるとシンシン

みたいな音に変化してくる」(亜矢子さん)

実際、その料理の出来栄えは、とっても美味しそう。冷蔵庫の中も綺麗に整理整頓されている。

調味料を識別するのに頼りにしているのが…

「ソースの形って四角いですけど、最近のはソースの蓋に点字でソースって書いてある。マヨネ

ーズは蓋がボコボコしてボトルがツルツルしている。ケチャップは手触りがサラッとしている

材質で、しかもボトルにケチャップって点字がある」

そんな亜矢子さんにとって、選びづらい調味料は

「いちばん困るのがドレッシング!ドレッシングの“ドレ”って点字で書いてあるんだけど、何

の味かが分からない。じゃあどうしていくかというと、私が大好きなレモンのドレッシングに

は輪ゴムを付けています。(日常使うドレッシングは)あと2種類あるんだけど、最終的には蓋

を開けて匂いを嗅ぎます(笑)。そうやって、いろいろ工夫しているわけです」(亜矢子さん)

洗濯にも亜矢子さんなりの工夫がある。ちらかり易い靴下は、1つにまとめてから洗濯カゴへ。

亜矢子さんが決めた家族のルールは、安全ピンで留めて洗濯して干すこと。「そうするとバラ

バラにならない」(亜矢子さん)。安全ピンを付けたまま干された靴下は、しまう時に外して

整理される。

目の見えない両親を気遣う子どもたち

子どもたちも、幼いなりに両親の目が見えないことを理解しているようだ。今年小学校に上がっ

たばかりの長女・心(こころ)ちゃんは

「お肉ないかな」(亜矢子さん)

「しらたき取れてないよ」(心ちゃん)

「だってあんまり取るなって言ったじゃん」(亜矢子さん)

やんちゃ盛りの長男・響(ひびき)くんも、自分が使った踏み台をパパのために脇へ寄せる気遣

い。明るく穏やかな家族の日々。しかし、これまでの道のりにはさまざまな出来事があった。

亜矢子さんは静岡県出身。生まれながらに目が見えない亜矢子さんが、幼い頃から興味を引かれ

たのは音楽。歌手になることを夢見て、武蔵野音大の声楽科を卒業。見事、プロの歌手になっ

た。

一方、2歳年下の誠さんも、妻と同じく静岡生まれ。幼い頃は目が見えていたものの、先天性の

緑内障が進行し12歳で失明。完全に視力を失った。その絶望から立ち直るきっかけとなったの

が1冊の本。

「ぶつかって、ぶつかって」

著者の竹下義樹(よしき)さんは日本で初めて全盲で弁護士になった人物。さまざまな苦難にぶ

つかりながら、点字六法全書の作成に尽力するなど新たな道を切り開いたパイオニア。その

生き様に感銘を受けた誠さんは弁護士を目指すことを決意する。

TBSテレビ『結婚したら人生劇変!〇〇の妻たち』次回は8月7日(月)よる7時から放送です

とはいえ、その道はやはり険しいものだった。ただでさえ超難関の司法試験。これを点字にする

と、とてつもない量になる。誠さんは試験に何度失敗しても、めげずに夢を追い続けた。

そんな誠さんに、亜矢子さんが出会ったのは26歳の時。すでにプロの声楽家として活動してい

た亜矢子さんが地元・静岡で開いたコンサートに、誠さんが手伝いに来たのがきっかけだった。

「話している雰囲気と声と人柄に惹かれたんですね。いろいろと相談に乗ったりしているうちに

、そういうことになってですね(笑)」(亜矢子さん)

亜矢子さんのアプローチで交際を始めた二人。そして交際から5年。29歳となった誠さんは5回

目の挑戦で司法試験に合格。努力と共に歩んだ誠さんの半生は、後に書籍化され大きな反響を呼

んだ。そして、ほどなくして2人は結婚。誠さん33歳、亜矢子さんは35歳だった。

目の見えない2人が結婚、そして出産。亜矢子さんに不安はなかったのだろうか?

「何も別に無かったですね。初めての妊娠・出産・育児って、目が見える見えない関係なく皆不

安だし、皆大変じゃないですか。それを一個一個2人でクリアしていけば、別に良いんじゃない

かなって気持ちだったので、取り立てて不安は無かったです」(亜矢子さん)

ありのままに…心の声を伝える子育て

密着中にはこんな親子の出来事があった。この日は6歳の長女・心(こころ)ちゃんとオセロで対

決。そのゲーム中盤を迎えたときのことだ。負けそうになった心ちゃんが、突然、不機嫌に。マ

マを傷つける言葉を言ったのだ。

「とても1年生とは思えないようなその態度」(亜矢子さん)

「ママは大人とは思えません」(心ちゃん)

「どうして?」(亜矢子さん)

「見た目で。見た目で保育園、幼稚園、赤ちゃんぐらいですね。馬鹿な人だよね。変な人だもん

ね」(心ちゃん)

はずみで出た言葉とはいえ、ママを傷つける一言。すると…

「ママ、すごく傷ついた…」(亜矢子さん)

亜矢子さんは叱るのではなく、あえて悲しい気持ちだけを伝えた。

ママの言葉に、突然泣き出す心ちゃん。亜矢子さんはその様子を、何も言わずに静かに見守るだ

け。すると、心ちゃんがママのもとへ。

TBSテレビ『結婚したら人生劇変!〇〇の妻たち』次回は8月7日(月)よる7時から放送です

「ひどいこと言ってごめんなさい」(心ちゃん)

「『バカだね』とか『変な人』とか、ここちゃん言われたらどう思う?」(亜矢子さん)

「悲しい気持ち」(心ちゃん)

「ママも1年生とは思えないねとか言っちゃったからゴメンネ」(亜矢子さん)

これが亜矢子さん流の子育てだ。家事に、育児に、とにかく明るい亜矢子さん。彼女にとって、

結婚とは?

「1人だったら絶対に得られない経験をたくさんできています。自分の人生の中で主人と子ども

たちがいちばん大きい」(亜矢子さん)