見えない私の環境心理。

     ご機嫌いかがでしょうか。

 視界ゼロのミコばあちゃんです。

この時間、白みかけてはおりますがまだ暗い感じです。日の出が待たれます。 

 見えなくなってからは、悶々とした日が続きました。

朝起きても、さわやかさなどは何も感じることはできません。

いつも、深い深い霧の中にいる状態から何も変化などないのです。

色もやがてはなくなります

来る日も来る日も同じ景色でしかないのです。。

誰も傍らにいる感じがないとしたらどうでしょう。

常に孤独の闇でしかありません。

これを自ら打破するには、相当の意識レベルが求められます。

来る日も来る日も、同じ状況、焦燥感のみで何もあり得ません。

夜といえばやたら明るく、白夜そのものなんです。

来る日も来る日もこのようであれば不眠はもちろんのこと

気持ちの平成館など皆無に等しいです。

 

 口にするものまでも、何も色がなければ砂をかむようなものです。

いまだに食べ物に関しては味はありません。

ですからこれを 食べたいなどとは思えません。

これに工夫を加えてどうすれば食欲を感じるのだろうと

考え込んでしまうミコばあちゃんでもあります。

  不安材料満載の中、一歩など進むことすら不安なんです。

 生命保険評価においても、視界ゼロは、死と同じです。

これを、切り抜けることは同じ仲間以外にはあり得ないと思えます。。

そして一日も早く、自分にできること探しが必須のように思えています。

   中途失明者の心理に関する引用文です。

目が不自由になるとそれが原因で、少なくと

も2人に1人は死ぬことを考えます1)

(図1)。

いや、「目が不自由になると、誰もが一度は死ぬことを考える」といったほうが正しいのかも知

れません。

パソコンや携帯電話など文字を頻繁に使う現在のような情報社会にあっては、目が不自由になる

と、仕事や日常生活が難しくなります。

視覚障害者はそのため、生活行動や精神面で大きなハンディキャップを抱えながら、回復の見込

みがないままに、また視力の残っている人は全く見えなくなるのではないかと不安を抱いだき

ながら、生き続けなければなりません。

がんなどの病気と違って、視覚障害の終点には“死”がないため、耐え切れなくなると、自

分から死を選ぶのだと思います。

2.うつ病などこころに関連する病気が多い

目の不自由な人には、うつ病をはじめ、すいみん障害、不安障害、パニック障害過換気症候群

など、こころに関連した病気を併発することが少なくありません。なかでも、うつ病は多く、

かつ苦痛が大きいので見逃すことができません。

晴眼の大人のうつ病患者が増え、最近は5

人に1人といわれています。目の不自由な人にはさらに多くみられます。

私たちの調査では、目の不自由な人97名のうち、うつ病の人は23.7%(23名)、うつ状態の人

は24.7%(24名)、ほとんど問題なし

の人は51.6%(50名)でした2)

下図)。 なお、盲の人の中には、まったく見えない人のほかに、かすかに見える人

目の不自由なことが原因で「死んでしまおう」と考えた人の割合

視力の残っている人で視力の悪化や失明に対する不安を持つ人の割合 67

人のほぼ半数はうつ病うつ状態にあります。

とくに女性や糖尿病の人に多いことが注目されます。

うつ病うつ状態のみられる時期は、仕事や日常生活動作が困難になった時がもっとも多く、次

いで病気の進行したとき、視覚障害の現

われた時、見えなくなった時、などです2)

視覚障害が原因でおこるうつ病は、多くは大うつ病性障害の一つである反応性・症候性うつ病

含まれます。

反応性・症候性の場合は、比較的短い期間でなおるともいわれ、パソコン兼喫茶室(団らんの場

)がきわめて有効と私たちは考えています。

3.視覚障害が現われた時からリハビリを開始

視覚障害リハビリテーションは、目の不都合が生じたその時から、心理的なケアを含めて、開始

すべきです(図2)。

リハビリテーションの開始が遅れると、治療や日常生活に対する意欲の低下、離職による経済的

危機、離婚などの家庭的危機を招き、絶望のために死を考える人も少なくないからです。

視覚障害のために心が打ちひしがれていた人も、何か一つでもできるようになると、元気になる

といいます。障害が現われたら、少しでも早く、その困ったことに対応すること、リハビリテ

ーションが大切です。

図2 視覚障害が現われた時から心理的ケアを含めたリハビリテーションの開始を

だからといって、いきなり白杖歩行や点字の訓練をすすめても、やろうとはしません。こころの

ケアを同時に行わなければ、訓練をする気

にはなれないからです3)

。目の不自由な人の治療は、こころのケアから始まります4)。目の不自由な人を抱かかえた家

族にも、目の不自由な人と同じくらいに、こころのケアは必要です。

4.パソコン教室兼喫茶室はこころのケアにも有効

私たちが開設して間もなく20年になるパソコン教室兼喫茶室が、視覚障害者のこころのケアに

役立つかを47名の利用者に聞いたところ、21.3%の人は大いに役立っている、76.6%の人は役

立っていると答えていました。

とくにこころが和む、元気が出る、などこころのケアに有効と考える人が多く、さらに友達作り

、楽しむ場、また情報交換の場としても皆さ

ん利用しています5)

(図3)。

パソコン普及のためのパソコン教室と、こころのケアを兼ねた喫茶室(団らんの場)は視覚障害

者の自立に欠かせません。

そのため私たちは、県内10数か所にパソコン教室兼喫茶室を常設して、リハビリテーション

、またこころのケアの場として利用してもらっています(図4)。 68山田視覚リハ研究 3

(2) 

5.障害者は地域でリハビリを受けることを望んでいる